日の入りが折り返すまで一ヶ月くらいはあるな夏の始まり
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勇ましく 進む背中に喜びと 少しの寂しさ 見送るハイハイ
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轟音を聞くたび窓から乗り出して君が見上げるブルーインパルス
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気がつけば が明ける時 目に映る 見たくないもの 見た人もいる
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「オウンゴールじゃ素直に喜べないね」淋しく光るやさしさ、恋。
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大好きなお日さま今日は眩しさが辛いと感じ体温測る
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きみの、きみの祈りなんてそんなもの 抜かれた釘を並べるだけの
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瓜二つ 記憶違えど 共にある ふたりの絆 想い合わせる
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一歳児 逆さに持ちてタップ、スクロール 見知らぬフォロワー増えにけり
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要介護認定上がる昇級したと喜んでいる場合かよ母に報告
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何回目なんかいめ? もっと勉強べんきょう しておけば よかったなんて 明日あした頑張がんば
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むむ痒いもしかして蚊か初蚊なり過酷な蚊とのいくさ始まる
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母はく 疑問の多い 三歳児 答えきれずに 愛で応える
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ぬと必ず我が家帰る長男きみ 寂しがり屋の32
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バッドエンドなんて百も承知 エンドロール終わるまで共に生きる
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吹く風に 紫陽花揺れる帰り道 ツバメ以外も低く低く飛ぶ
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朝ドラを 観るとき何故か 背すじ伸び 先人女子の 努力凄まじ
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立葵 おでこにくっつけ遊んだと 母は少女の顔で語りき /コケコッコ花
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堂々たる鳥居に負けじと立葵タチアオイ 背筋伸ばして紫の花
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陽溜まりに微睡む犬を撫づ手指の皺に憶ゆる白詰草を 母へ
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十字架は幻なりと汝云ふに罪濯がれたりゴルゴダのごと 父へ
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AIに 短歌詠ませて 驚嘆し 負けていられぬと このサイト知る
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ちと高いシャンプーなんぞを買ってみる 恋するオバハン死ぬまであらが
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つり革の 持つ手じとりと 耐える間に 着きて涼しや いざゆかん
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払っても払ってもなお砂が出る 子どもの服は四次元ポケット
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旅先でいつも妄想するんですこの街に住む私のことを
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小二女子砂場で山を作りつつ ブラック企業の話をしており
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「まっさんの」ニッカウイスキー工場へ試飲のできぬ夫横目に
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気に染まぬモノ事今はガチャと言う 自分おのが引き寄せし天の配剤を
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釣糸を垂らすのやめた釣り人を いったい何と呼べばいいのか
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