目覚めたら目の前にある右腕が私に含まれる不可解さ
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私以外に夢中なあなたの髪に造花を挿す いつ気づくかな
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あなたがね娘の最初の友だちで 園児の私よくやったじゃん
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わたしだけデラタメのまま バカみたい 正しさなんかで灼かないで
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暮れがたのくすの陰よりくちなわはくびるえものを企てている
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潰えた夢に蓋をする 憧れだけじゃ飯は食えない
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しかばねを積み重ねれど届かずに 蓮に埋もれた君を見る
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眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
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サンドバッグ そうなるためにここにいる訳じゃないんだ 拳を握る
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おヒゲがね 下がっているとリラックス ねこのおヒゲは抜けても宝
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母は目のクマのできない体質で 「クマって何?」と問い「これ」と我
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花火になぜ花と付くかを教えてと 自問自答するベランダのハーブ
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将来は学校になりたいです すべての組織のろ過装置として
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静けさに起こされて寒さに目覚める 今日は母より先に窓開ける
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結婚するなら六月 曇った月がふたりを一生照らすから
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宿題がまだ終わらない自由帳 道徳のシールをはがして捨てる
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七色に光る海に揺蕩えど あの頃合わせた目は余りにも遠い
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もし子きみが 俺に似てると言われたら 涙を我慢できるはずなく
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最後だしあなたに内緒の話をするわ 秘密はすべてほどけて消えたの
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ねえあなた、引き出し開けては呼び掛ける ギイと錆び付く青き心よ
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約束よ 恋も願いも叶わぬならば貴方のぜんぶを渡してよ
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君弟おとうとが うちらの結婚 祝ってくれた あり得ないけど 幸せだったよ/夢
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亡き春を数えて過ごす秋の夜 生まれ変わるにゃ ひとつ過ぎたり
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東風吹かば 思い起こすよ君の名を 梅咲けれども春はもう亡き
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子育ての思いの積み木積み上げる小児内科の待合室に
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さみしさに慣れるのはいいさみしさを与えるのには慣れなくていい
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遠い地で人を殺した春風が今日の北口広場を撫でる
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もう少し 少しでいいから 思い出の 中でこのまま まっていたい
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ページを めくっみると 破れてて 希望は無いと 改めて知る
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心根こころねに その人だけに 惚れるって その人だけが 例外ということ?
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