珍しく 今日は朝から 雨が降る されど一ミリ 路面を濡らす
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罪のない インターネットの 戯言で お茶を濁して 失礼します
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雅より 自由を好む 性格は そんじょそこらで 変わることなし
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満員のスターバックス ご婦人の噂ばなしがBGMに
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優しさに 慣れることなく 「ありがとう」 気持ち忘れず 君を想うよ
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自分が何かわからないままだから知らない何かに飲み込まれてく
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やっと今日新札三種揃ったが嗚呼悲しいかなすぐに出ていく
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うたかたの恋のルドルフ紫苑ゆう 貴女に恋し焦がれた若き日
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ロッキングチェアに揺られて夢うつつ 頬撫でる風は湿気を帯びて
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よすがなどあらず水場に咲く花を剪る一瞬の夢が悲しい
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石を飼う女存りしやコクニーのような訛りで躾けるものを
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馬果つることもなかりき草競馬見下ろすのみのわれの祝日
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ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
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兌換紙幣ひらひらと燃ゆ戦前の国家ゆのがれゆくはムーシェ
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渋沢栄一銀行券煌々しく詐欺す 殖民に朝鮮國ありしをしらず
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聖マティアス銀行口座開設ゆ種入麺麭殖えゆきて弾けり
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翰筆は機関銃より強きとか 誓約書へ白黒き撥字止めて
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私ってこんなんじゃ生きていけないね髪の予約を終えて倒れこむ
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こんなにも好きと言うのが難しい すり減る何かに見ないふりを
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動けずにいる動けずにベッドにいる髪を切らなきゃエクセル見なきゃ
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パパとぼく 真夏のホームで汗びしょさ でも手はつなぐ! 仲良しだからね
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『不意な礼』が二十時過ぎだと母が言うチラシの文字は祭り『フィナーレ』
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4040歓喜しながらふと思う イッペイ事件って今年だったっけ
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粋がった 茶色のグラサン 夕陽色 もうサザエ気分の 日曜の朝
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気が重い 頭が痛い 台風の影響だなと頓服を飲む
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蝉時雨 まぶたの裏に描かれた思い出を見る 戻れない夏
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すやすやと眠る小さな新生児を見つめる君のに吸い込まれ
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一瞬の閃光みたいに輝いた君の命の輝きがまだ
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野分去れば夜風涼しくなるはずと望み抱きつ備えの買い出し
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我思う故に我あり 開眼す 君想う故に我あり 恋は盲目
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