左右逆 エスカレーターに気付く時 今旅先にいることの実感
18
スポーツは苦手意識は無いけれどするより見る派お家観戦
7
この風はちとせももとせ経巡へめぐりて預かりし名のひとはうたかた
10
秋の朝眠気ざましのカフェオレどちらか迷うホットかアイス
11
静けきの庭に枯れ果つ曼殊沙華 振り子時計を揺らす秋風
22
畢生は逃げ遅れたる風鈴の秋風かこつ神無月の日
10
朝会でまわりがみんなバカに見え 屋上に行き大の字で寝る
6
その元気 少しは分けて欲しいわな キミのことだよムダ毛毛根むだげもうこん
10
明日あすの夜に 十三夜なる月の照る ススキの切り口 神の宿り場らし
24
秋陽あび緑つややかなミニトマト。早く色づけ!霜ふるまえに
11
尊厳死、やがて問われることならん あなたはいまだそんげんしないの?
6
熟した葉濁りは旨み言ったじゃん茶葉に甘みを求めないでよ
6
寂しいといけないからねと理由つけ 隙間埋めゆく弁当の朝
15
パラパラを前で踊っているひとの 後でぼーっと立っているひと
8
家路へのももいろの空夕暮れの育ちゆくかな上弦の月 
35
澄む秋に 紅い柘榴ザクロが 口を開け 赤紫の 色鮮やかに
25
お袋の味が恋しくなってきた袋タイプの焼きそばを買う
18
ノイズかな作ってくれたボカロ曲 そこだけ聞くと死 ね ば い い の に
4
おかん晩ご飯なんなん生姜焼き退屈なフルコースの肉
5
ロッテリアのバーガーを食むロッテリアのバーガーを自分は買える
4
ため息を「息をついているだけ」という言い換えをする自分のために
6
生きているだけでお金が消えていく何にも悪いことしてないよ
5
想い人多くの出会い重ねたが初めてなるか許されぬ恋
13
なら何故に夢にまで出て微笑むか ならば構わぬ毒皿食らえ/何もしてませんよ!
7
好きだとて気持ちブレーキかけざるを得ぬはあのひと他人ひとの妻ゆえ/えっ!?
9
水滴をいちいち受け止め鳴るシンク 大げさなんだよ泣いたくらいで
10
宝石は傷つけられて輝いている 傷を傷とも見せないままで
10
うたたねをしている間カルピスの濃度のことだけ考えていた
8
終電を しきりに気にする姿見て 消えゆく愛を せつなく察す
21
きみの眼は踏みつけられて色づいた生花を薪に輝いている
6