サウスポー?そう訊いてきた思い出に私の関西弁など無い
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せめて無であれと願うのは酷だろういつかの町に私ひとり
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父が入るはずの空洞 母の涙で愛が分からなくなった
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墓参り ひと月ずらし今更な秋のふちにて嗚呼反抗期
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今日の夜はどの孤独を食べようかしら あかあおきいにむらさき
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星辰にうずもれているきみの名は可視光外の色でかがやく
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心ありてわれに施しせし女の眉の太きを忘れずにゐる
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それなりの日にそれなりの生活を志してはそれきりの日々
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帰省した 子達と共に 秋過ごす ひつまぶし食べ 明日へと繋ぐ
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秋の今 光眩しき 千歳橋 右には工場    こうば 前にはアーチ
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陽だまりにふたりぽっちのしあわせをしずかに集め、ほおばるぶっせ
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注がれし夜を飲み干すため星は23.4°傾く
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日々思ふ つまらぬ者はわれなるか、われを分からぬ人々なるかと
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体育日十月十日がスポーツの日になったがわれまだ慣れず
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ないけどさサイダーでなきゃ君と一緒に 飲まなかったよカステラサイダー
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不味くないでもけっこうな甘さよね でサイダーにする必要ある
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お土産の変わったサイダー飲んでみる お先にどうぞいや君こそ先に
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ソウジャナイ!「情けは人のためならず」「気が置けない」もソウジャナイから!
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朗らかに惨めに行かう小生は君の隣か後ろにいるさ
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邪念などこれぽちもないこの気持ち伝える術がないのが悲し/今日の恋歌③
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するするとほどけてゆくよ 赤い糸 はりつめてくる心の琴線
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夢に出た出演料を支払えとジョークで返すあの人可愛い/今日の恋歌②
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生きるとはおにぎりに茶がついてきて嬉しいと思うくらいでいいよ
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自転車で駆け下りるひび割れた道 わたしはここで生きているのだ
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ダイソーのトウモロコシを強く噛む百八円が歯間に刺さる
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戯言か否告白に近いだろ思いの言葉ジョークに交え/今日の恋歌①
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自販機のジュース続けて当たり出て一生分のツキになるかも
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「さみしい」は「さむい」との相関がありあんたのそばはたいていぬくい
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さみしくはないかわたしはきみのためならばどこでも火を灯すから
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股を血で濡らすひねもす苛立ちと眠気の戦う戦場ヶ原
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