息ひそめ深き山にて明かす夜 闇に獣の匂ひかぎ分け
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駐車場 窓の縁の子バッタは秋の入口 どこまで行くの
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無視された「助けて」を胸に飛び込んで バケツの中にも照り付ける朝日
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蜚蠊ごきぶりも 東京夢見て上京し 夢と一緒に潰されたりする
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東京じゃ あたし普通の女だよと 僕の特別な君が言う
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お片付け 期限の切れた 調味料 使った記憶 一度の美品 
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秋空に 暑さのこれりも 風涼し 夏の終わりを 鈴虫告げる
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茶道具を 愛でて愉しむ お茶会で 利休百首に 思い巡らす
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ふと思う 防災リュック点検し 生き延びる理由わけ 今更ありや
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僕は君を 愛しています どんなことも 誰も時間も 変えられないよ
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夕暮れであかねに染まる公園に 踊る蜻蛉かげろう 夏の残り香
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暦上 今日けふより長月 始まりぬ 明けぬ残暑は 夏の置き土産
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桜咲く あの日出逢った、エレキベース。打痕増えては、こころ繋がる。|相棒
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汚れてもいい心にて来てください 社保寮完備明るい職場
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愛してるのに 会えないのじゃなく ただ愛しいから こんなに会いたい 
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夏なんかあっち行けって言い入る温水プールよりぬくい水
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暗闇を 彷徨い歩く パチロード 誰が開けたか パンドラの箱
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女涙乾く速さはドライヤー男知らずにハンカチ差し出す
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夏の夕自然の風は 心地いいクーラーの風 偽モンの風
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仮面して泣き顔隠す道化師はすべるギャグにも拍手浴びたり
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風乾き喉が渇いて水もとめ岩のしずくは魂うるおす
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構ってと言わない君が「了解。」の句点で示す愛の関税
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呆気なく苦しみ宗旨も何もなく死は厳粛さをも斥ける
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とりどりの色が差し込む教会の荘厳な影ステンドグラス
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いつもなら 気にせぬ君の 横顔に キュンとしたのは きっと汗のせい
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女子らとは まるで違った 足音が どどどどどどど 男子のリレー
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はぐれかけの 私も取り込み 囲まれる 体育祭は 永遠とわの思い出
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洗濯物取り込み 空を見上げたら すこしふっくらした月が居り
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ねこたちが 寝室あっちと リビングこっちで ねていると おかあちゃんまで ねむくなりにけり
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リビングで大音量で見るアニメ 2階で親が言い争ってる
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