ちらちらとかがやく天使の羽をみた つれて行ってよ光のもとへ
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恋だとか愛とかそんなんじゃない もっと重苦しい独占欲
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ねこたちは たまにはなかよく ぷろれすを いきおいあまって コテンとなったり
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あなたと見た後味の悪い映画の隙間に食べた菓子が忘れられないよ
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台風がわるさせぬようカフェオレを今日から飲まぬ。はやく去るのだ/(来たらごめん)
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待合室まちあいの仕草愛らし幼な子に吾子重ねては戻れぬものかと
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鰯雲眺めつ歩くなんだろうスタンド・バイ・ミー歌いたくなる
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繊細な人として認知されちゃうといじけるタイプの繊細な人
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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旬だから二百五十円秋刀魚焼き全て昔を懐かしむ夜
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雨降って濡れてしまうの嫌なので 2軍の「服・靴・鞄装備」で仕事に出かける
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霜の付く鮎五尾ならば今のうち 甘露煮にして初夏を封印
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分からなさただそれだけと関与する生きねばならぬボクらの根拠は
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そのむかし家族に言えぬ悪いことしたかしないか 闇の恋しさ
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古漬に生姜を添えて呑む亡父ちちは ラガーの大瓶ランニングシャツ
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酢くからく深く漬かれよ野菜ども 酒よ飯よとあおるぬか漬け
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ひと月で我がぬか床も様になり もぎり胡瓜と蕪が上出来
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思い切りAmエーマイナーを鳴らしたら そこから秋だ音を止めるな
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製氷機親父が釣った鮎五匹開かずの扉の霜に埋もれ
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葉月末 制服着たる 二人組 新学期はもう 始まりたるや
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黒雲を 車窓で見つめ 不安がり 急ぎ家路と 晩夏の夕べ
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夕空に ツクツクボウシ 行く夏を 惜しむかのよう 淋しく鳴けり
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父の字で【五月に花咲く】鉢にあり 予言は命中 父は死しても /今年も咲きました
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「カントリーマアムは1分トーストね。」小さくなってて少し焦げたよ
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「あれがこぐま座、これがみずがめ。」「ダメだ笑わら あたしには全部みみずに見える」
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「この垢の妻です。彼は死にました。」「そもそもあいつ嫁がいたんだ。」
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本当の自分なんてねぇ街に出ろ 嘘が服着て並んで歩く
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そこここのラムネの中のビー玉に 夏は丸まり冬眠をする。
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母さんへ 仕事決まった 立ちんぼに半額シール貼る仕事だよ。
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べとついた 犬の毛撫でる ススキの穂 陽射しやわらぎ 秋はもうすぐ
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