いつも見てくれている人見ていたい 僕は些か我儘な蝶
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昼下がり寝息すぴすぴ愛犬の このひとときよ永遠であれ
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地図見るの不得意だからとりあえず 歩いた向きで方角を知る
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英訳を すると枷とか束縛に なることもある 絆ってもの
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蛍光灯雨の降る街 水槽の魚と私はどこが違うの
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教室を出たらもうサヨナラだから第二ボタンをグッと握る
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今日もまた 踊り場のない階段で 踊り疲れて うずくまる君
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このコーヒーを飲み切ったら私たちまた友達に戻ってしまう
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3月は白くけむって Jazzと共に涙流し 流されていく
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手袋を買いに出掛けたあの日から冬は一層儚くなった
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雲切れて 空青くなる 月曜に 彼岸此岸の 境を思ふ
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ガチャ回すちひさき孫の手に見入り彼岸に思う親ガチャの縁
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彼岸入り 薄曇りの空見上げたる 晴れの予報はどこいったかな
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一日中 食べ物のこと考える しかも食べたくなくて考える(何なら食べれるかと)
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自己暗示 ちっちゃな指輪 中指に これをつけてる時は頑張る!
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冷たいか 温かいかで悩んでる お蕎麦屋さんにも春は来たれり
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ランチには ゆっくりコーヒー飲もうかな たどり着くのは結局蕎麦屋
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あの頃のきみの笑顔と重なってエイの展示に集中できない
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手入れなく 繁れる庭木 天をつく それにつけても 早期復興
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休暇明け無人となった病室はきみの名残も漂白されて
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孫の顔 嫁に言われて 見せに来る 息子も今や 父親になり
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賞賛と 羨望の中 死んで行く そんな人生 夢のまた夢
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この仕事 人が嫌がる ものなのか 定着しない 日雇人夫
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雇用主 いつまで人を 雇うのか どんな評定 下すのだろう
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来月で 学年上がる 小学生 自動的だと 気楽でいいな
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人生は 向こうの見えぬ 綱渡り 奈落の底に 落ちないように
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まだ生きる まだ死なないと 思ってる 予定の立たぬ 明日の我が身
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若い頃 こんな老後に なるなんて 想像ですら しなかったよな
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今日もまた 春の嵐の 吹く中を 仕事へ向かう 普通の世界
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冬を越し 腐ったような ジャガイモを 畑の端に 丁寧に埋め
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