Utakata
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父は老私は初老でささえ合う二人で歩むゆっくりな夏
30
一泊の臨海学校四日後に「貝みつけた」と絵手紙とどく
20
抜け殻と思い手を出し羽化前の その凶暴さにたじろいだ夏/以来、蝉の幼虫は怖い
17
月のよに 欠けて満ちては また欠けて 補い紡ぎ やがて丸まる
13
幸せは振り子のように来ると言う 紐が長いと信じて眠る
15
我が里は 朝霧煙る山間のカッコウが鳴く長閑なリけり
16
物干しの
撓
(
しな
)
れるさまに 心さえ
灑
(
あら
)
われてゆく 梅雨晴れの朝
15
左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
27
頬紅を 四尺玉が彩れば 綺麗と零るる夏の宵かな
13
水槽を覗く我が目も覗かれて生きてるだけの意味を尋ぬる
14
ピアノ持つ ことに憧れ 弾かぬまま 序章で終わる 母のバイエル
13
我が猫の 鼻押したれば 舌出でし 我は命名す 指ぺろスイッチ
10
食パンを買いし女がそのままに
袋首
(
ふくろくび
)
つかみ店を去り行く
10
ヤブガラシ窓のひそめる空
(
から
)
の家 風鈴だけが夏を待ちをり
13
ミサイルで 何がいったいかわるのか 子でもわかるよ 花火上げよう
13
白詰を守るがごとく咲く薫衣窓より見つる絵の如きかな
8
夏映画ホラーばかりが並んでる チケット買わずチラシだけ取る
7
蝉の初鳴きが胸を締め付ける 郷愁ではなく夏への覚悟
10
また猫を 認知予防と 迎えれば 愛しさ増して体力尽くる
19
公園の ハマボウの黄で 一日の パワーをチャージ さあ始まりだ
16
靴下を立ったまま履けてえらいねと朝の自分を褒めてみたりする
9
蝉たちのごく一握りの貴族らは バルタン星に還れると聞く
20
「ニッタさんではなくアラタさんですよね?」シンタは変わらず頷いていた
6
梅サワー月つとめ明け格別も焼酎パックの色気なさかな
6
刺すような朝陽差し込むひがし窓赤だしの香も暑苦しかな
20
寝過ごして 名を呼ぶ チリンと鈴の音が ねこの寝返り お返事代わり
21
年一で満足できるはずがない相手はちゃんと別にいるんだ
10
7
年の 歩みの日々を つぶさには 思い出せねど 今日に至りて
13
夕立に 隠す言葉は ここにいて 縋る想いと 濡れる両袖
7
旅に行き 公園あって 入ったら トンボ多すぎ トラウマ公園
5
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