秋がなく 冬が到来 大急ぎ 衣替えして ああもう師走
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趣味短歌すっげーマジメなんだねと言われてしまう言わせておくの
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通院も 予防接種も 生真面目に もはやが為 分からなくなり
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壁ひとつ隔てていびきの可愛くて妻なる人の寝顔を思う/なんとなく五百首になりました
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編みくれし亡姉との想い出さがしつつセーター解くゆっくり解く
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剪定せんていと思っていたら斬られてた好きだったのにと布巾ふきん干しつつ/公園の·家から望みて
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異国の字 刻まれし瓶は この浜で 安息を知り航海を終え
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何度でも紅茶のポットをのぞいてまともでいようとした休日
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あの人が海に入って遊ぶとき わたしはその水にさわれない
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穫れたての土がついてる大根は迷惑ですかああそうですか
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親友が 彼氏できたのと喜ぶ ちょっと嬉しくちょっと寂しい
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デートと笑う親友に嫉妬する あんたじゃなくて、彼氏の方に
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意識したことない後輩夢に来た明日普通に話せるかなぁ……
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と子らを夢中にさせた魔法世界 懐かし嬉しでグッズ買い過ぎ /ハリポタショップin名古屋
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中寿とは 八十以上百までを 指す世代なり 吾のこれから
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かん高いセルフのレジの語り口「一オクターブ下げて」に一票
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耳に目に降り積もる哀しみたたえ一人で歩き雪になるわれ
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追い詰めて追い詰められて優しさを壊したくなる皿を割るよに
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ひよこ豆ふつふつ笑う深鍋は家族賑わう予兆のようで
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せつせつと雪降り積もるその下にこえも無きまま蝉潜みたり
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スタジアム勝利の歓喜 帰宅してDAZNダゾーンダイジェストで噛み締める
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幼き日母が選びし紅色のダッフルコート着た愛しき
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夕暮れにただの樹として桜あり涙の如く葉まで落として
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兄母も 強く言いたる 職訓やれ されど生活 憂う初冬に
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七年目「よろしくね」ってくちびるが動いたけれど声にならない/霜月三十日
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「ただいま!」と言われちゃったら「おかえり」と言うしかないか熱のない文字
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「よきことが必ずあるや冬の虹」先輩の句をお守りにする
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アオハルの 会話キラキラ 眩しくて 甘くて軽い 綿菓子みたい
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軍事費の代わりに介護ロボットに金をつぎ込めこの馬鹿どもが
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それぞれに 生きた証を胸に秘め 二人並びて いにしへ思ふ 
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