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越えていく 雲も見えざる 万葉の 風に
雪崩
(
なだ
)
れる
紅葉
(
もみぢ
)
の峠
7
一陣の
旋風
(
つむじ
)
舞い
起
(
お
)
く 駅伝の 野菊揺らして 秋走る
女
(
ひと
)
10
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
39
道端の無人の店にて「三袋で三百円」と銭箱へ入る
5
『八十五歳の訪問診療医』なる鴎一郎氏は森鴎外の孫なり、励まされたり
4
綺羅星
(
きらぼし
)
の空に耀くはずもなし。「綺羅、星の如く」と切りて読むべし
3
和蘭語の「オテンバール」の当て字とふ『御転婆』なれど媼にあらず
6
をさなごの〈絶対語感〉を
培
(
つちか
)
へとふ外山滋比古の説に
諾
(
むべな
)
ふ
3
秋深し隣地に基礎工事はじまりて突貫工事は暮れまでの由
2
それとなくナッジ理論をひそませて健診のあとで養生訓を垂る
2
小菊咲く立冬の庭にサルビアは種散らしつつ咲き続けをり
9
立冬の東の空に浮かびたる眉月の下に明けの明星
13
来し方を客観視して我が身さへセルフナッジで
現在
(
いま
)
を励ます
2
寒冷が 空を冷やして 雲高く
蒼
(
あお
)
澄むほどに 秋は深まり
11
十一月十一日の初雪とは今年も津軽は大雪なるか
2
氷雨ふる薄暗き庭をながめつつ温き書斎で読書三昧
3
初雪に甘さの増ししプチトマト、ひび割れせしもランチの皿に
3
『100分de名著』にちなみ実践す吾が健生塾では『スマホdeナッジ』を
2
小春日にベランダカフェの椅子あらひ小屋に収めて雪にそなへむ
7
「言葉による演技」とふ渡部氏の説にならひ三十一文字にて演じてみせむ
2
序詞や枕詞にみちびかるる和歌の仕掛けに演技さへみゆ
2
花の色はうつりにけりなと詠みし小町。ふるとながめの掛詞そへ
2
をりくとふ五文字を五句の先に置き穴埋めのごとく折句を詠まむ
3
をりくなる律儀な女の暮らしぶり泣き明かしつつ縷々かたりをり
2
「風邪を引く」「コロナに罹る」と言ふなれどいづれも敵はウィルスならむ
3
兼好の
沓冠
(
くつかむり
)
歌に「よねはなし」「ぜにすこし」とふ頓阿の返し
3
雨あがりの小春日和に惑ひしか雪囲いのなかで蝋梅一輪
8
黄ばみたる切り抜き帳に開運と
幸呼来
(
さつこら
)
の街盛岡を想ふ
3
山を行く アルバムの父 鉈持ちて
山窩
(
さんか
)
のごとく 紅葉の沢に
佇
(
た
)
ち
9
勤労感謝の日は過ぎキッチンガーデンは更地となり春まで休園ならむ
2
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