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見渡せば木立の中の木漏れ日に白きシャツ着た在りし日の夫
(
キミ
)
22
ネモヒラは地平の果てまで淡く咲き蒼き海へと溶けて重なる
22
お経より ボレロがいい と言っていた 父の墓前で
15
分間
84
徒桜
(
あださくら
)
一まい一まい 降りてくる 絶望と 希望にゆれる メトロノーム
34
しがらみと恨みつらみのぐるりなり波打つ義理を情と見まごう
13
薫風に
抱
(
いだ
)
かれながら 葉に一つ 月下美人の小さな
蕾
(
つぼみ
)
25
水彩の
画
(
え
)
の如き雲浮かびおり青空 新緑 季節は進む
24
今さらに知った私も気象病? 昨日の不調はスッと消えて
26
キッチンに香り漂う初夏の午後リンゴといちごコトコト煮込む
17
土をこね時計の針は重なりて終わりを知らぬ造形思考
19
本能がくすぐられるか三匹の愛猫窓辺で蝶を目で追う
9
庭隅に黄のガザニアの広がりて 初夏の陽と風 吾も受けて佇つ
7
おーい雲白いスニーカーを履いたのよ眩しく輝くお日さま見せて
17
緑なす五月の風の中に立つ白きシャツ着た君が手を振る
27
すれちがう バスの運転手さんたちの 挨拶 見たくて いつもこの席
64
曇天の長き晩春 雲の
緞帳
(
どんちょう
)
の向こうに 出番待つ星
25
ガザの子・イスラエルの子ともに汚さざる手に平和を祈る日を望む
26
自由 鋼鐡天井ゆ開放されし青空へかなしみの謳歌ひびけり
14
鐡条網傷めて架臺運びゆく銃創の少年達へ兆す憎惡 止れ
12
湯を誘う 言葉の継ぎ目 さがしてる ふたりの宿に 月が寄り添う
16
あまたある
病
(
やまい
)
のどれに
罹
(
かか
)
るかで左右されるよ生涯格差
21
ウォーキングに疲れる時もあるわけで
齢
(
よわい
)
重ねて 夕暮れの街
20
昭和の子 巨人大鵬卵焼き 夫ももれなくその中におり
13
病
(
やまい
)
にて失いし
時間
(
とき
)
大きくて若さに必死にしがみつく今
20
坂道を登れば白きアナベルの咲く庭のあり水無月の風
17
寝ぼけ見る 鏡の中に
倅
(
せがれ
)
いて 驚く吾を 妻が頷く
18
ヘルパーが帰ったあとにほんのりと部屋に漂うフローラル系
20
脳みそを隔てた先にある
現実
(
リアル
)
夢ですら私、幸せになれない
6
午後5時を告げるチャイムに腹が鳴り配食を待つパブロフの人
28
額縁の中で見つけた蒼きケシ孤高に咲くやヒマラヤの地で
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