秋闌けて漢方學者薬種店硝子戸へ首晒せるあはれ
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疱疹ほうしんは赤くふくれて我に告ぐ「このお身体からだはお疲れですよ」
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無い尻尾しっぽ一生懸命振る老犬 分かる分かるよあなたの気持ち
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吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
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朝夕に飯を求める野良猫のために生きてる健康的に
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鉢合わせ 会ってしまえば 逃げられぬ さちを願えば 朝霧つつむ
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水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
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水たまり遊び帰って吾が子ふと「あめいたねー」とつぶやき笑う
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この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
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解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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晩ごはん 食べたらもう寝る 八時半。 目覚めれば2時 あさなのよるなの?
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とどめさす 淋しい心の 急所とは。 人にはおわす のど仏なる
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読み返す 十年日記あと僅か 秋入り作る 干し柿、甘酒
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終焉の時が近づき母想う 夏の再会 も一度かみしめ
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さればいにしへの戀はらからの今際の面散る昨日いきてしか
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山の端へけぬるかたへへ花霞たつけふをかぎりのいのちならまし
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まこと亡びとももふ歌たらざりしいきのこりとはわがことならば
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佛頭焚かれ やかれもせずにをのをのがとらはるるは上手ならずや
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人間に意思などあらじ 「むかふ家に百合の黄の花がたつたやう」
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早々と夕焼けの入る居酒屋で グチと笑いで友との深酒
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色盲の吾に赤きを教えたる友居て遂に秋を見つける
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さばさばさばこきくれなゐのはねごろもたててふるなむしらかみのゆき
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いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
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目覚めれば べつの天地が あらわれて 靴をはきかえ あさの白銀 / 立冬
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やっちゃった! 気が弛んだか ぎっくり腰 嗚呼また始まる 動けぬ日々が
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何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
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