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葬列の 家族の空に
百舌鳥
(
もず
)
は鳴く 血鎖滅び 高鳴く谺
8
幸薄き 老婆死して 俄雨 シャイロックどもの 長き葬列に
7
流れ去る 終電のひと 見送りて 置き去りにされし こころ畳む夜
8
濡れていた 私鉄の街角 別れし日 あの夏の小雨に 声もなくわれは
6
とんがらし色した夕陽落ちる秋若かりし日の驕りにも似て
16
やがてまた 曇り空暗く 降りかけて 秋雨の舌に 今朝も冷たく
4
この朝に 降る
繊
(
ほそ
)
き雨 濡れながら 冷気胸に吸い 生き直せし
朝
(
あした
)
6
足早な 思い思いの 夕暮れの 人の列にかかる 秋雨の寂しき
12
銀杏舞い 舗道の子らは 落ち葉蹴る 襟立つ冬の背 追風のなかに
6
越えていく 雲も見えざる 万葉の 風に
雪崩
(
なだ
)
れる
紅葉
(
もみぢ
)
の峠
7
一陣の
旋風
(
つむじ
)
舞い
起
(
お
)
く 駅伝の 野菊揺らして 秋走る
女
(
ひと
)
10
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
39
道端の無人の店にて「三袋で三百円」と銭箱へ入る
5
『八十五歳の訪問診療医』なる鴎一郎氏は森鴎外の孫なり、励まされたり
4
綺羅星
(
きらぼし
)
の空に耀くはずもなし。「綺羅、星の如く」と切りて読むべし
3
和蘭語の「オテンバール」の当て字とふ『御転婆』なれど媼にあらず
6
をさなごの〈絶対語感〉を
培
(
つちか
)
へとふ外山滋比古の説に
諾
(
むべな
)
ふ
3
秋深し隣地に基礎工事はじまりて突貫工事は暮れまでの由
2
それとなくナッジ理論をひそませて健診のあとで養生訓を垂る
2
小菊咲く立冬の庭にサルビアは種散らしつつ咲き続けをり
9
立冬の東の空に浮かびたる眉月の下に明けの明星
13
来し方を客観視して我が身さへセルフナッジで
現在
(
いま
)
を励ます
2
寒冷が 空を冷やして 雲高く
蒼
(
あお
)
澄むほどに 秋は深まり
11
十一月十一日の初雪とは今年も津軽は大雪なるか
2
氷雨ふる薄暗き庭をながめつつ温き書斎で読書三昧
3
初雪に甘さの増ししプチトマト、ひび割れせしもランチの皿に
3
『100分de名著』にちなみ実践す吾が健生塾では『スマホdeナッジ』を
2
小春日にベランダカフェの椅子あらひ小屋に収めて雪にそなへむ
7
「言葉による演技」とふ渡部氏の説にならひ三十一文字にて演じてみせむ
2
序詞や枕詞にみちびかるる和歌の仕掛けに演技さへみゆ
2
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