何もかもおしまいみたく思える日 変わらずにあるセブンイレブン
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ゴールデンウィーク疲れ溜まる日の一番風呂の湯舟にしづむ
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八雲立つ出雲大社に詣でたる皐月朔日今日は大安
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森がまだ醒めないうちに背伸びする鹿の口には藤の花房
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こんばんは そちらの暮らしはどうですか 六等星のワンルームより
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大きけりゃ大きいほどに映えるけど ベランダ鯉も龍を夢みる
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「ぼく」と「オレ」の攻防戦 定まらない一人称に黒いランドセル
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藤棚の下に群れ伏す鹿たちをおぼろに照らす春日燈籠
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ゆりよりて しゃつにくちづけ しべの黄 じゅうごかいきを わすれてもうろく
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離婚危機 終戦じゃなく停戦よ?いまだ教えぬ口座残高
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予想外 ランチの誘い 嬉しくて 妄想膨らみ 湯船でのぼせる
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三と五のあひだで肩身のせまかろが「みどりの日」ありての黄金週間
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肉じゃない、麺でもないやと言いながら 注文多き子 肉うどん選び
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送られてゆく真夜中の国道の田んぼの上を月は走って
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風の止む夜の静寂しじまに棚の上 微睡む猫は香箱の夢
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ベーコンが パチパチ音を 立てながら 僕らの朝を 祝福してる
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スルーしたアイロンがけのツケ溜めて 空酒瓶とごろ寝の端午
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ものすごい風が吹いてる手荒だが祝福なのだようこそ若葉
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人の手により作られた朧月 人の手により作られた俺
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どのレジに 並ぶかどうか 見定める 後に来た者 負けてたまるか
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春の夜の小指の爪の大きさのまあるい月がここの出口だ
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七十路の半ばと知りぬ 食パンの六枚切りから八枚切りへ
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親指ほど らしいよヒトの 魂って 一寸五分の 虫すごくない?
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人はみな高き星見て その横の名も無き星は 忘れ去られし
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逃げ水の向こう側見むとする 極地に落つる太陽歪みをり
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大利根に筑波おろしの風舞て海にもまさる波の煌めき
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鯉のぼりぐっと掴めば僕だって五月の風になれるのだろか
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正月やお盆でもない実家では帰省したとてすることもなし
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ヒゲの先 五月の風を感じつつ のんびり見回り 路地ののら猫
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山歩き巨木の下でひと休み一羽のとびが頭上をぐるぐる
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