妻の目に 涙あふれて 「優しいね…」 互いに涙 介護の思い出
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雨の日もレインコートで歩いたね ひたすら眠る老犬愛し
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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不自由を持ちて集まるデイサービス、スタッフの声、明るく響き
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やっぱりねアナログがいい アルバムを開けばそこに家族の笑顔
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秋晴の清しい空や靖国の奉納舞は厳かなりき
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爛漫らんまんの 主役でらる 足元で 白詰草シロツメクサが 踏まれて悲し
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ころもかりぎぬくづる花争へ流鏑の音 正鵠を逸す 
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海外で ツ と シ は笑顔の記号だと 知ってから見る ツツジ にっこり
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みどり萌え長き病と決別しメロンを食し君は旅立つ
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気がつけばあたりは若葉の頃となり桜を探し過ぎにし日々へ
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寒空のビール祭りは震えても一緒に呑めば楽しいふたり
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蒲公英タンポポの綿毛を手にし風を待つ三歳みとせの孫の眼には青空
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見渡せば木立の中の木漏れ日に白きシャツ着た在りし日の夫キミ
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ネモヒラは地平の果てまで淡く咲き蒼き海へと溶けて重なる
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村上へ藻塩を買いに彼と行くモナカどら焼き大人の遠足
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お経より ボレロがいい と言っていた 父の墓前で 15分間
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プロ野球、推しのチームの勝敗に一喜一憂、母親のごと
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徒桜あださくら 一まい一まい 降りてくる 絶望と 希望にゆれる メトロノーム
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清らかにひっそり咲きし都忘れ覚えていたよあなたの事を
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雨上がり 川の両岸一面に 活き活きと咲く 野の花愛らし
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薫風にいだかれながら 葉に一つ 月下美人の小さなつぼみ
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水彩のの如き雲浮かびおり青空 新緑 季節は進む
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今さらに知った私も気象病? 昨日の不調はスッと消えて
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キッチンに香り漂う初夏の午後リンゴといちごコトコト煮込む
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土をこね時計の針は重なりて終わりを知らぬ造形思考
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通院の日取り決まらずもどかしく送りの息子伺うばかり
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本能がくすぐられるか三匹の愛猫窓辺で蝶を目で追う
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庭隅に黄のガザニアの広がりて 初夏の陽と風 吾も受けて佇つ
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おーい雲白いスニーカーを履いたのよ眩しく輝くお日さま見せて
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