マグカップ両手につつみ飲む白湯に臓腑ぬくもり腸活だのみ
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命乞いしているように前脚をこすり合わせる蝿 殺せずに
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帰り際 今日も生きたね とわらった 今日も死なない、明日も死なない!
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うれしすぎるときとかなしすぎるとき詩のことばたちはぼくを離れる
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ラブレターを投げ入れたい君の窓 また家の前を通り過ぎる
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散残る日陰の錦木赤に燃え篠つく雨を忍び映え居る
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背中越し寝返り打つふりして見えた 見知らぬ女性の名前三文字 〈追憶/瘡蓋かさぶた
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冬の夜に イルミネーションキラキラと 眩い光が 街路樹灯す 
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素晴らしい クリスマスデコ真似しても どこかチグハグ 我家の装飾
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目が覚めて 溶けかけの夜 部屋にいて ぬくい布団と 朝を見過ごす
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朝起きるふとんもっふり君がいる ポンとたたけばニャーとこたえる
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遠山に映える富士山狙い撃つ老夫のアイアン行方は空し/昨日も三桁切れず…
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煌めいて回るはメリーゴーランド娘のワクワク一緒に乗せて
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憧れの卒業式はあっけない 先輩のは完璧に見えた
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プリンターのインク買ったらカレンダー貰ったんだな年の暮れだな
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雨粒のような僕と太陽のように明るい君とで虹を/お題「混ぜる」
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新しいショルダーバッグ新しい僕を引っ提げ晴天をゆく
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街灯が責め立ててくる冬の夜ナイフを持って僕は立ってた
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友だちと歩いた道と師の言葉に縫い留められていてほつれない
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どうでもいい私の生活を見る私はどうでもよくない
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死にたくないママ死なないでと泣き喚く4の子の未来は明るい
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水仕事終えてスマホを手に取れば 指紋認証苦戦して 冬
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名を呼んで 種をまきたい またいつかの 電子の宇宙そらで 星になる人
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物事の理屈顛末言いたがるこれも一種の老化現象
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今日という特別な日よ吾子からの人生最初の〝おかえり〟の日よ
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比叡山山頂にあるガーデンより 琵琶湖を望むそこは雲海
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静寂の紅葉映る瑠璃光院 貴方のおかげベストショット
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人まばら 淋しい庭の美術館 秋の花達けなげに咲いて
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竹林で太陽の光顔に差し まるで美顔ライトと娘
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気づいたらなくなっちゃうのばかりだね 切ない冬だ ねぇシュトーレン
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