滅びから生まるへはるか離るるを春陽のはるはふんわり触れて
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プランター 小松菜の芽が出揃って 農家気取りの二年目の春
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愛犬の夜鳴きおちおち寝てられず されど愛おし勝るものなし /犬莫迦
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目鼻口、喉の奥から耳までも 痒みて腫れる花粉症哉 
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手紙読み 散りゆく花びら かき集め 懐かしの想い はめ込んでゆく
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遅刻する 急ぐ足元 風過ぎて たんぽぽの綿毛 どこにゆくかな
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社長室 鋭いまなこ 睨み合い 漏れた言葉は 鮎釣りの日程
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プログラム バグが見つかり 呼び出され 専務の毛根 バグを見つける
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墓じまい覚悟の行く末 「僕が守る」次男の言葉 胸に迫りて
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ヒトカラで、ケツメの『涙』を歌ったら、涙が止まった。たこ焼き美味い。
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君去りて 落ちし蕾の あかきこと 子の呼ぶ声に 我は老いゆく
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雨の日は 晴れを祈って 晴れの日は 雨を祈った 三月の自室へや
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列島開花 桜のはな扉が開かれてピンクのニンフが駆けめぐる 見落とさないで私も待ってる
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今を生き 目の前のこと ラベリング 彼岸の入りは 春を知らせる
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曲がり角片目の猫と鉢合わせ 強く生きなよ春は来たから
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このチョコが美味しいのよという音で「中山美穂が死んだの」という君
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東向き 窓ある部屋の贅沢は 明けの眉月 これに極まる
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贅沢は敵か素敵か 夜明け前のぼる眉月 見て思案する
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昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
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元部下と 神田駅にて 再会し ランチ富士そば 思い出の場
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名残香なごりこうほお梅紅色ばいこうしょく 三月みつきの花嫁 夢にゆれつつ
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悲哀とは 幸福たちの 存在を  証明し得る 唯一のもの
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窓越しの 板の間に立ち 温もれる 足の裏から 春入りたり
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夕日に 友と語らう 三年間 淡い花びら 色染め濃くして
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春浅し 日暮ひぐるる時の 伸びゆけば 時計の針が 開花を進める
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時経ちて 陽春ようしゅんうた最中さなかなり 飛び立つ花粉せい黄金こがねに輝く
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病床の魚の眼から潮流れ「我を食え、焼け、骨までしゃぶれ」
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梅残る彼岸の墓に香焚けば此岸のにほいの風に吹かるる
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サウナにて整う恋を許すまじ浴場出でて君と待ち合う
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有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
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