処理水と訓じたることただちには影響なきこと国のいふこと
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暗黙に仮想敵国現実の敵国となり 恐怖に拠る淘治
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利き腕にかたぶく重心コロナゆゑ千鳥足にて揺るる視界は
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行かなかった解散ライブ再生し部屋に時間の塊が降る
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かっこいい言葉遣いに無理してる?感じたことをそのまま言って
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手をつなぐ 幼き姉弟きょうだい レンズにて ふいに涙滲むは 老いの緩みか
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しらけたるラテアートに泛ぶアヒル「資本」飼ひならされてつかの間
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書き損じばかり所詮衝動の滅ぼせるまできさまをにくむ
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つまらないおとなになったあの時のかえらぬ傷が疼くのだった
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肘ついてテレビ観ながら食事する。子が出てゆけば母脱ぎ捨てて
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書物をば 積ん読にして 砦にす 五畳の書斎 わが祖国なり
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真ん中を行く人 僕は掘って行く ここでさよなら、地球のみんな
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アレ、ソレと 指示代名詞 電波にす 仲良き符丁も 老いほろ苦く
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体温が宿るシーツに包まれて窓の隙間はさわさわと秋
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旅に出る 切なきイントロ 若き唄 二気筒のバイク 風に乗せし夏
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きみたちの頭の中に入ってる型が役に立たない日がすぐに来る
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令和風看板POP俗謡耐えられぬ軽さ、の時代の先に在る、ことば
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「探偵はBARにいてGHOSTはブレインにいる」騒霊の住処、臓腑はらわた
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その猫も死ぬよ 歌壇にてあらかじめ穂村弘が飼いはじめしも
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夏去りて 風色変わる 夕の路 宵待の吾に 寂し色の風吹く
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弱気き 遠慮の肩支え 暖かき ひかりへ委ねる 介護の君に
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沖縄を買うという精神構造のおかたをとてもしんじられます
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かなしいかな、正義の仮面の内側は――、嫉妬と報復でできている。 世相。
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アルブレヒト・デューラー「復讐ネメシス」像の幾多度刷られ幾多度の戦争 
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朝日にも読売毎日歌壇にも一度として載ったことがないわたし 
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水涸れの 草の川原に 降りていく 陽炎の道の下 ふと消えゆく人
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やわらかな君の心に刺した矢を抜くのはきっとわたしではなく
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かき氷 やけに口冷たき 九月末 残暑戻りて 扇風機帰る日
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若き頃 老人の病棟と 揶揄せしも 病老の待合 今その真ん中に在り
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診察後 平癒のきざし 認めたく 医者の言読む 思いははやりて
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