画面には笑顔溢れると孫が 心によぎる会えない寂しさ
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丁寧な暮らし生き方憧れる せめて歌はと丁寧に詠む
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秋来ぬと窓を開けども頬を打つ 風の熱さに夏がまだいる /「残暑」
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無花果いちじくのほのかに甘い風香る 無花果の木の小さな木陰
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鳳蝶アゲハチョウひらりひらりと舞ってゆく 季節に乗って翔び去ってゆく
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帰り際こっそり小遣いくれた義母はは 微笑む写真を今日も眺める
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夏という季節が決壊した様な豪雨が僕を叩き続ける
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ゆりかごの歌を一緒に口ずさむ 親子互いの歌声聴いて
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午後の陽が少し傾く夏がゆく 跨線橋から電車を見てる
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老犬よ こんな時もあったのね ドアにはあかし数多あまた爪痕つめあと
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波音に耳を澄ませば満ちてくる 人は何処かにみなもとを持つ
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偶然が偶然を呼ぶこの惑星ほしで一緒に焼こうお好み焼きを
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花のたてるをたれそしらさむ浮草へ鳰くくりぬをしるとはなしに
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喀血す母仔合はさば一羽の鶴となりなむおりがみのゆび
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草帷子桔梗に芒婦人花秋の地獄のすずしきを染め
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秋闌けて漢方學者薬種店硝子戸へ首晒せるあはれ
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疱疹ほうしんは赤くふくれて我に告ぐ「このお身体からだはお疲れですよ」
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無い尻尾しっぽ一生懸命振る老犬 分かる分かるよあなたの気持ち
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吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
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鉢合わせ 会ってしまえば 逃げられぬ さちを願えば 朝霧つつむ
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水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
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水たまり遊び帰って吾が子ふと「あめいたねー」とつぶやき笑う
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この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
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解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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晩ごはん 食べたらもう寝る 八時半。 目覚めれば2時 あさなのよるなの?
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とどめさす 淋しい心の 急所とは。 人にはおわす のど仏なる
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