傘さして 一回閉じて またひらく 街灯の灯りに みどりが映えて
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落雷が杜の鐘打ち篠突く雨 安寧の下神様と我
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こんがりと スパムを焼いて 人参と 冬野菜入れ ポトフを煮込む
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明日の朝怒られること確定の帰路もラブホはエロく輝く
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秋雨あきさめの雫に触れて震える身 冬将軍からの冷たき便り
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カポエイラかテコンドーかいや待てよその体つきはセパタクロー
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飼い猫が粘着系のガムテープのにおいを嗅いでエア砂かけ
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侍の機嫌損ねた旅の者命惜しくて綺麗な土下座
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ジョギングの反射材たち固まって高架下にて雨止みを待つ
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苦しいと叫んで誰に届くのか あなたは私に届かせるけど
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ダメ人間 至極真っ当そうだよな 鬱で苦しみ 無断欠勤
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萌えアニメ 裸足で駆け出す 少女たち おもちゃの銃で 撃ち合う8月
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出来損ない それでも自分を追い詰める 努力は美徳と 神話を信じ
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死ぬ時は くもりの日だけ避けておく 青空に征く 魂のために
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山のにいさよふ雲もないままに 私の終わりを見届ける君
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寒いのは 何も済ませず眠る夜 床は冷たい 脈だけがはやい
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外が暗い もう暗いよと騒ぐ子ら 日がない冬も楽しげな子ら
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夕空に伸びた木の影 がしゃどくろ ゆらりゆらりと手招いている
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愛してるよりも上の表現をくれよいくらでも払うから
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総理だけフィーバーすれば繰り返す二〇〇五年の解散選挙
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宇宙から地球を映す人がいた俺の宇宙に無断侵入
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純文とHIPHOPのミソジニー趣の後で倫理性へGO
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九十年 重ねてもなお 溌剌と 自立素晴らし 理想の姿
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分度器を縦にしたよな月が出て 半分だけは闇夜を照らす
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