不気味なりおう魔がどき時のやなかげ陰に首をもたげてゐるくだん件かな
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不気味なり逢魔がどき時の蝉のこゑ絶え間もなしに響き渡れり
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私には何ちゃら肌着向かぬのかこの冬からもう迷わずにすみ
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親兄弟 困らないよう 祈るだけ 灯油は立米リッター 百十九圓 / 年明け拾五圓アップとか
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公園に蝉の幼虫捕るなとか張り紙する市は住みたくないんだ
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公園の落葉は自由にもってけと張り紙する市に住みたかったよ
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幼影おさなかげ。同じ歩幅で歩けども、大人の影は「君が見えず」と。
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心の、耳を澄まして走りゆく。過去の影から追われながらも
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死なないで。高く買われたもんだなぁ。この死に宿る規模の経済
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揺らぐ朝。心の波を漂いて、見つめる先に霞さえ無し
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ばらばらと花びらが散る山茶花さざんかは花ごと落ちる椿つばき羨む
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寒風に夏のベゴニア晒されて開いたままの花が固まる
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雪深し 追いかける足 おぼつかず 先をゆく君 振り返り笑む
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今日の予定 風船に聞く 風まかせ 自由気ままに 寅さんになる
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静けさの 誰もいない 公園で 枯葉が舞って 音なき音が
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駅送りブルートゥース途切れ行くしばし眺める我が子の姿
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雪積むもキツネの見廻り抜かりなくわが家の花壇を斜め横断
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けたのかれているのかうつせみのきにかかかりしは七十路のひと
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もうそろそろ PMSさん 気配する 女子って半月はんつきは 不調期間だねぇ(ため息)
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おもむろに隠した本意の数々を積み上げたとて君が見えない
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四時半に起きるつもりで目覚ましをかけてもどうせ布団に負ける
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何十年探し続けた貴方宝物 今このスマホに静かに眠る
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カーテン越しひかる陽射しは暖かだ 部屋は温々ぬくぬく外は厳冬
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図書館でインコの飼育本借りた子のアピールを受け流す午後
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いいかんじに 蜜の入りたる りんご切り ハイとひときれ 吟味しキミ
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ちま猫ちゃん どこいったかな つくえのした かくれんぼさん しているんだよ
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独身の息子も今年で三十一 三十一文字はしゃれにもならぬ
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自分の影 を追いかけたら 逃げていく 今年の漢字 「金」も同じこと
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帰り道 枯葉よ聞けと 公園で 俺と同じで すぐに散るから
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流行語 ふてほど以上 ダメ石破 選ばれないのか? 早期退陣を
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