あなたとの縁を感じずいられない機械に袖は無いというのに
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この顔に生まれつきある痣もまた 三十二歳おめでとう私
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もうじきに 蒸し蒸しシーズンやってくる ひんやりスイーツ恋しい季節
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ねこたちの夜中暴れたあとをただ 淡々と片す月曜の朝
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いふところの 想われニキビが治らなく デビルマンの歌 延々浮かぶ(誰だ♪誰だ♪‥(笑)ちま猫ちゃんかな?😸)
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初夏ならばこのくらいだとまたひとつ毛布の厚さを薄くしてみる
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月曜の打ち捨てられし炊飯器六時四十二分をのこし
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兄「もつと食べたかつた」「あとひとつだからね」と云い分ける弟
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約束を破つて酒を注がれる子どもと義理の祖父の狭間で
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トレースのやうにアイロン一学年進級をした白衣にあてる
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ステップの隙間落ちさう怖がりも遺伝するらし螺旋階段
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「いえわたし聖母マリアじゃないほうのマリアです」って名刺をもらう
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さよならの次の日にかなあみのささくれを ちくんとたしかめる
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青空を抱きてひかる田の水に黒き姿の燕の旋回
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コツコツと足跡響かせ颯爽と 迷惑知らずの目立ちたがり屋
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悪夢見て涙を浮かべ目を覚ます 目を背けてた現実はそこ
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とこに就き眠気は めぐる雑念にされて 進むばかりの夜更け
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握りたて たっ、とつまんで口に入れ うまい短歌はお寿司に似たり
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薬玉のごとくひしめき咲きあおるツツジよそれは本望なのか
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知らぬ間に散り散り花見よさようなら 次があるならまたあう日まで
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書き割りを重ねたように霧と雲山霞ませてパースペクティブ
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毎日が日曜日ではあるのだが休みにならぬ母さんしごと
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春空に母の一字を書いてみる 高さは願い 余白は祈り
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めめと私の人生は一生交わらないそれを寂しいと思う五月雨
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点滴をつけて菖蒲あやめとお茶をする白·紫のドレスの薫る
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残り鴨飛び立たぬのかいまだまだ 訳でもあるか足でも痛いか
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藤棚の 風にそよぎしむらさきの 藤の香漂ふ空の彼方に 
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子らからの妻のスマホへの着信で五十回目の母の日と気づく
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僕だけの全米泣いた真っ青な日だったなあまた明日へ忘れる
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線路だけつづいているよ毎日を歩いてだけどコンビニはどこ?
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