今やもう 夢破れたる 戦場の 兵士のように 死を待つのみか
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己より大切なものできた時怖さと強さ同居始める
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失明の 危機を乗り越え 今となり 死ぬまで続く この戦いは
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争いを 避けるためには 山ごもり するしかないか 愛する勇気
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罪の世を 抗いながら 進むのは 至難の業と 思う毎日
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ぬばたまの立ち枯れ紫陽花暗がりに佇む姿は廃墟のごとく
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ひょろひょろの足で出てきた姪っ子は今日誕生日ふたりのママに
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いろいろな ことを学んで 勉強で いつか忘れる そのいろいろを
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カーテンの隙間差し込む朝日さえ煩わしいと思う 仕事か
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すまないね草むらの猫驚かす買い物カートきいきい連れて
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朽ちるなら誰も知らない花畑 来る人無くとも献花は枯れず
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こころからほとばしる甘い執着がきみの重荷に成り果てし今日
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いかないで 布団が俺にささやいて やれやれと言い五分まどろむ
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大河展・茶そばランチは決めてある 明後日 晩秋一人旅なり>宇治
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彼の地とは あのように風情ある土地か あくがれを込め 宇治を見つめる📺>光る君。源氏物語ミュージアムもいっとくべき?か?
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夜明けとともに出かける日帰りの旅車内で朝焼けをみる
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ねことねこ けさもなかよく どつきあう まくらとりあい まけたチビ猫(しょんぼり)
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湯気の立つ ホットミルクに スティックの カフェオレ溶かし 朝がはじまる
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世にあふる名言たちに励まされ 苦しいけれど生きようと思う
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バッタ捕り付き合い君の自転車に ついて走った8キロメートル
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釜飯のシイタケをやり米もらいもみじ平で囲む昼飯
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けん玉とカスタネットをもらい受け祖父と曾孫を写真にのこし
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霜秋や一年半の時を越へ笑顔の祖父とまみあつており
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軽鴨の親子のように自転車で 一列で走る妻子追いかけ
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都市の青におぼれゆくまに浮かぶ瀬のないなら君と腐乱したいよ
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止まりつつ止まりつつ行く街なかの路面電車の時間ゆっくり/広島電鉄
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公園で「わしの砂場じゃけえ、どいてーや」 広島弁の子の頼もしき
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親指の深爪しくしく痛む先かすかに感じる冬の後先
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期待した映画にイマイチ乗りきれず僕ならこう撮るとか夢想/『十一人の賊軍』を観てきて
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咲く日をば自ら決めた向日葵は凛と見上げる晩秋の空
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