割引デー できれば薬局ダイコク行きたいが 先立つものが心もとなく
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チョコミン党 ときどき流行るチョコミン党 好きなほうだが ココスが遠し
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パリッとした おニューの半袖パジャマなり 猫柄の服で ねこをいだけり
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足下にリーフ文様くっきりとこれこそ初夏の始まりの道
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数多なる 詠み人知らずの それぞれの 読み人誰と 詠み人知らず
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忙しく 型枠作る 更地かな それにつけても 早期復興
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大相撲 見るときだけは 今忘れる それにつけても 早期復興 
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岩肌に まだ草も生えず 白きまま それにつけても 早期復興
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花苗の 隣に植える 野菜苗 それにつけても 早期復興
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草むしり 今日はどこまで できるやら それにつけても 早期復興
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百均の 駄菓子盛上げ 客を待つ それにつけても 早期復興
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エアコンの 冷房暖房 日によりける それにつけても 早期復興
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この薬扱い注意気を付けて引きこもります逃亡します
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あの人のくれた鉛筆それだけが記憶のよすがとしてある手に
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居なくても困らない二人だからこそ それが良かったそれが困った
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半歩ずつ譲り合ってるとこに住む 私がそこに行くのを拒む
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君と吾(あ)に 確かにそこにあったもの 金で継ごうか指先迷う
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足元にまとわりついて来る猫を部屋に残してリハビリ散歩
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待ち侘びて運ぶ編み針ゆるやかに カーテン越しに雨の音聞く
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降り積もる憂いのあまりの大きさに僅かに三時間しか眠れず
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この竹は定めたらんや空のはて 駆け昇るさま ただひたすらに
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ふる雨に風に乾きにおののきに いやしてあるかの竹の青
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出迎える猫たちに 手や膝がれ ボディチェックをされるが如し
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雨雲の上に十数機も飛びかひたるラッシュアワーのモニター表示
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本じゃなく本棚を買えうずもれた不発の夢が燃えだす前に
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禿げ上がるおれたちみたいに投げやりな ポッキリ一万吊るしの背広(萌さんへ)
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ひと真似の集合体も歳経れば しこりとなってほぐせぬ物へと(林檎さんへ)
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田植え終え水の緑の静かなり 希望の早苗に米の騒動
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職場では居場所がないと分かってるそれでもやっぱり働かなくては
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夜半よはに聞く五月雨のやさやさやと しじまいや増す しじまさら増す
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