庭を掘る 海の余波なごりか 殻鮑からあわび 螺鈿らでんの虹で 土塊つちくれ飾る
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夏空に 音なふ花火 開くとて さりゆく光 のこる短夜みじかよ
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狐の嫁入り てんき雨 駆け出して 化かされついで 虹さがす
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日々痛む 病の指を嘆くのは 知らない人が見るこの場所で
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さざなみに落ちた日暮れのこがねいろ 摑み損ねた宵を反芻
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エアコンに冷えた体で外に出て 「あったかい」などうかつにこぼし
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冷房やシンシンとして肘痛し つけずに亡くなる人もゐるらし
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酷暑ゆえか冷房きき過ぎ我が社内 カーディガン着るなんといふロス
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冷や汁と麦とろ丼を食べ終えて今日の仕事は全部お終い
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猛暑日の 恵みの雨も どんどんと 湿度も上がり 寝苦しい夜
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背徳感すする激辛ラーメンを疲労度計が振り切れた時
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この頃は、体がいちばん謎です。微熱は出るわ体重減るわ
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素麺は 10分茹でれば すぐ増える 飼育が楽な 生物です
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夕方の スーパーまばら にんじんと玉ねぎバナナ にく桃 しめて二千 \帰宅後の水シャワーが一番。
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暮れなずむ坂 くっきりと浮かびをる 蒼きうさぎこうべ垂る月
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在りし日の歌を歌うかうろおぼえデュエットしているあの日の俺と
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狂おしく胸駆け回り暴れ出す指折り数え外に逃がすや
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この熱気苦しくなる程息も出来ず我の心も警報級へ
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夕焼けに溶ける薄青涼しげでどうせなら見たい爆発青空
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不合格 狭き門なり 火の設備士 されどならねば  我が家の危機よ
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家の中裸で過ごす心地よさ肩で風切り歩くリビング
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憎しみは何も生まぬと知りながら目の前にいるあなたを憎むか
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苦しいの? そいつらみんなころすっピ あたまのなかで タコピー煽る
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40℃大地の釜でじっくりと 脳細胞がぐらぐら茹だる
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おじさんの象徴だつた股引きがないとズボンが履けぬ汗かく
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室外機大きめの蛾がとまりけり今年最大納品終ゑる
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広瀬川線路のわきを流れをり朔太郎ゐた時代ときは滔々
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五差路ぬけ新規営業下町の風かほる空電線多し
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お揃いの 薄茶のパジャマ キミと着て 背中合わせで チューチューパピコ
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演歌ありロックもありの多様性昭和六十二年の曲聴く
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