海に僕捨てられたからヴィーナスに片腕あげた十六の冬
8
乗っかって ノリに海苔にもノリノリで 君と黄身とが踊り出したり
5
「こんばんは お疲れ様です」業務連絡のようなメッセージが君は好きなの?
5
去りぬ人 恋しき君の影追って 追っては追って 僕は夢を知る
2
あの頃の 優しさ故の涙抱き   ただ此処に飾る 我のドライフラワー
4
焼酎のソーダー割に柚子ザクザク「酔いどれ天国」一人気ままに
26
シャンメリー そっと冷蔵庫の隅に入れ クリスマスに向け 気分高める
17
通ぶってあれやこれやと試しつも 白いご飯にまさる快なし
20
ゆく秋の名残惜しきは枝々えだえだに僅か残れる桜紅葉よ /明日から冬らしく
27
納豆に日頃の苛々ぶつけても健気に美味い ごめんね。納豆。
25
夕餉まであとしばらくの間がありて 寝転がったら眠ってしまひ
17
「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
19
あんずって故郷のアイスの味に似てる よねって言われて微妙なあんず
6
仰臥して鳩尾あたりに手をかさね 呼吸をひとつ、もひとつ深く
16
学校の音楽室からもれてくる練習曲を月も聴いてる
30
窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
25
シナプスはようの粒子にときめいて月に微睡む雲の白網
20
アイルーのケープも干して 日は暮れて ちま猫ちゃんは おかおをあらう
17
列を成す 億の細道 ああ神よ 仏よ祈る 夢子夢太郎
6
亡き母は荼毘に付されて小仏を骨壷に入れる箸が震える
9
僕だけが損をしてると思う日よ今日はあそこの餃子を食おう
37
くりかえし見る夢のあり何ゆえに 乗るべき電車を焦りて捜す
25
歩道沿ひ並びし 低木の紅葉 散歩の犬目線の秋かな
28
いつまでも 学生気分は やめなさい 部下に叱られ 常務が泣いてる
6
頼りなく 力尽きたる 罪人つみびとに 手は差し伸べぬ 都会の風よ【折句:たちつてと】
11
内視鏡 ミミズのボスが腹のなか 白衣は平気に画像で威し
14
名古屋まで ライヴに行って 眠いから 学校休むは あり得へんから
4
WEB での 発表迫る中 速達で 届けられたり サクラサイタ
6
今はもうあなたに捧ぐ旋律は少しも鳴らずここは静寂
14
振込の金額ちがいキャンセルしけふの夕日はやけにまぶしく
9