セーターが生乾き臭させながらアジサイになる六月の床
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??麺 逆から読むとンメンャビンャビ 逆から読むと??麺
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机に向かひてただマウスを動かすのみの昼過ぎの夏時雨
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古人にも由無きことを書き付けて残したる者ありけるぞかし
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パンツ一丁の自撮りでリアクションを稼ぎたる自傷行為かな
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透明でいたいと思うことがある寂しいけれど安心なので
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酉の刻を王莽が時と称すなり史書の間にも魔に逢ふらむか
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紫陽花の異なる色におどろきて旅居たびゐの庭の雨しづやかなり
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考試いざ走らする筆止まりたる時に学びの幾年かを見ゆ
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わかってた 君が私を見てないこと でも胸の奥こんなに痛いの
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奇怪なる字形の麺の大碗に薬味薫りて渭河は錦秋
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「一っつも稼がないのに腰悪い?」言いたかったな『サルコペニアよ』(笑)
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一日に火を灯しては消えて逝くうす水色のけむり遺して
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種まいて三日坊主のジニアたち空を見たくて勝手に咲いてた
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木造の銭湯で飲むアンバサや ちょいぽちゃお腹を横目で比べる
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「くるま!」だと指差し叫ぶ子の側の物物に名前がある。不思議
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ひんやりな壁に背を当てへたりこみ夜泣きする子を眺めせしをり
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秋雨の高架の下を飛ぶ鳩のくらくつめたくほそくするどく
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笑う子の在りさえすればの想いさへ十も過ぎれば我忘れなむ
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語り得ぬ愛とはつまり行為なら模範の解を例示してくれ
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短腕をいっぱい伸ばして鳩を追う世界の奇跡は君にあるのだ
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ピットインのチームワークのようであれ我が子のウンチを始末する朝
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今世よ願ひ至も道は無き死なましものと思ひけるもする
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面積の8割君に捧ぐべく寝返りせずに君を見つめる
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冴えてると言われてみたい日々だった柑橘系の酸味のように
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気まぐれなあなたの返信へんじ待つ夜は 楽しくもあり辛くもあるの
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八色の夢を怖がって震えている母の額にてのひらを触れてもいいかな
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もういない 出会ったことは ないけれど 思い思いに 寂しさ溢れ
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朝起きて伸ばした手に染まった気味悪く咲く 朱の薔薇一輪
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抑圧と 規律を与え 従えば ここは監獄 軍隊ですか
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