マーカーの上下に一喜一憂す腫瘍マーカーなんぞ気にせず生きたい
7
大寒の機械がこねる餅の玉見まもる孫と祖父祖母の昼
11
インフルでひと月おくれ餅をつく集う仏間の親子四代
14
若き医師と昼の話題はリナックス。パソコン蘇生をつひ自慢せり
6
エーアイのイントネーション気になって明日の天気なんだったっけ
14
誘惑は 気楽に流し 気にせずに 忘れて励め 本分果たせ
3
突然の 不幸が見舞う この世では 精神力が 勝負の分け目
5
人生は 心の中の 戦いが ずーっと続く 鍛錬の日々
3
目の前の 虚飾に満ちた 現実を 天の光が 塗り替えるから
3
欲望の ままに生きれば 幸福は 砂塵のごとく 消えてなくなる
3
さまよいてUtakata見れば温もりの短歌うたを懐炉に寒き旅路の \ 元気をいただき今日から歩きます
22
この列車 途中下車する 人多く 終着駅は まだまだ遠い
3
自分など 忘れるほどに 愛すれば 手に入るから 幸福切符
3
こつこつと 天へと昇る 階段を 踏み外すよう 甘い囁き
3
耳鳴りが 罪への誘い 聞けぬよう 守ってくれる 不思議な力
3
まず先に 失うことを 恐れれば 得られるものを 知ることもなし
2
圧巻の連勝まるで巴戦初優勝はまた夢だった
8
突然に言われ気分を害すると言う暇もなく大むかし恋
6
生きをれば気持ちの乗らぬ朝のあり時の薬に癒さるを待つ
35
冬の夜に 凍れる空に煌めひて 南の彼方オリオン光るる
18
見上げれば 吸い込まれそう 大六角。 ちっぽけすぎる 私の算段
31
俺たちのためのキラキラ 世界の誰にも受け入れられなくていいさ
4
いつの日か休めるのだと駆け続け息も痛くていつまで あ ころぶ
9
周りから 見てもわからぬ この違い しっくりしない 今日の髪型
9
ビニールの手袋がいい着替えする服に絡まぬゴムはくっつく
8
ランニングシューズが桜ふみ抜けて カラー舗装に 綴ったこみち
7
この人と一緒にいたい 思い得る人がいなくて今日も無感情
5
世界一ピンクが似合うと叫びたい 「〝が〟じゃなくて〝も〟でしょ!」仰る通りです
7
今だけは 優しい言葉 押し広げ こぼれた涙 包んで隠して
9
唇に真っ赤な紅を乗せなさい嘘をついてもバレないように
10