おでんって時間をかけて母さんが作ってたからうまいのか
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切り捨てじゃない切り替えろ明日からもこの脳で生きていくため
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文芸は時をぬいとる綾なれば茂吉のあとをたどる邦雄と
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寒締めのほうれん草のくしゃくしゃと十年前の記憶は甘い
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明日なぞ 知るすべも無し 意味も無し 迷える今は 今日の事だけ
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僕達のことばは炎 揺らめいて熱を残して消えていくもの
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T. rexの歯のレプリカが震へる 夢で出逢つた恐竜たちは
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瘡蓋は傷の印となるけれど 跡は残れど痛みは消えて
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耳朶の 裏からイヤホンねじ込んで 夜も今だけ私の時間
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一般に 自分自分と 幸福を 求め続ける それが人生
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4日後は2歳違いになっちゃうね 静かに待ってる貴方きみ誕生日バースデー
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憐れみの 心がいつも 溢れ出て 死ぬことさえも 忘れるように
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あちこちが 痛い痛いと 言う妻の 背中を叩き 老老介護
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天にある 至福を求め 目の前の 小さき者を 愛するように
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コーヒーもいろいろあるの産地とか 「何のコーヒー?」と聞いてくる朝
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頑張れと 旗降るよりも 頑張った 褒めてあげれば もっと頑張る
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投票を済ませ問わるる珍しの これや世に聞く出口調査
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二杯目の珈琲を飲むデッキにはサンキャッチャーが思考を散らす
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冷たさに頬がきしんで目を閉じる風切る音は冬の言祝ことほ
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日曜の午後の陽ざしに誘われてデッキに集う私と猫と
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旧文明 魔力の源 半導体 カードSuicaは残して欲しい
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後悔は後に悔やむと書くんだね『連絡しません』言ったそのあと
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開けた窓 吹き込む風は 清らかに すさんだ心 突き放す
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一月の日射し明るき林間を母と歩けば冴ゆる阿夫利嶺あふりね
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おやすみと前髪まえがみでてはるやみ いつまでつづく 今日きょうもおはよう
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猫砂を包む古めの新聞に今もう見ないタレントの笑み
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良心も 広告もない 君は云う「楽しくなければ テレビじゃない」と
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温かき 春まだ遠い 冬の日に メダカ餌やり 共に春待つ
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本当は叶えたい夢があったそうな もうすぐ この映画も終わるよ 席を立つのかい?
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女の泣く テレビのうたげは 終わりけり 仲居なかいは去りて 秘密を漏らさず
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