世の中に死を恐れるは子供だけ齢よる毎死期を待ち侘び
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青空は桜にひかり降り注ぐまだいかないでって約束みたい
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しんしんと雪降る日には思い出す社宅暮らしの総出の除雪
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会いたいと思えば君もはいと言う想い合いたる強さの引力
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イヤイヤ期 職場環境、業務過多、上司もみんな、イヤイヤきらい
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ずれていると言われたからずらしてる俺 お前に責任を負わせたい
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守りたい、その笑顔を浮かべ咲く君の幸せ願って止まぬと伝えたい
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捕まえた虫をとりあえずピン留めにするようなあなたがたのいいね
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ゆびさきが凍星のもとゆるやかに透きとほりゆきやがてすべてが
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バスの旅添乗員のイケボイスとうとうと歌う唱歌「ふるさと」
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自らのためだけに自らを生きる私の他人への無表情
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少しずつ少しずつでも強くなる 攻め続けること忘れちゃいかんよ
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あなたではなくて「女」という何か大きな存在と話している
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お湯割りの梅干し入れた焼酎が散歩で冷えた身を温めた
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わがたち はしりまわって おみみヒヤリ さあさ寝るぞよ ふたりともおいで
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スーパーで二百円した焼き芋は四百グラム超えの大物
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庶民の街の向こうに落ちる紅い夕日私の偽り道連れに
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嘘も弱さも脆かった?琥珀色の潮騒が浜を濡らすみたいに
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あと3年そう決めたの何を?何が?いいえとくに意味はないの
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「さむっ」「あつっ」と反対言葉を連呼して 寒夜かんやのコンビニ 肉まんを食む
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血管の如く広がる大樹の 陽光の滋養いっぱいに受け
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ハマの番長番長さん わんちゃん好きか 微笑まし 犬猫番組 しんどくとも和む
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むなしさの埋め合わせではないかしらその美辞麗句巧い優しさ
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本読めず映画も観れずテレビ無しさあて一体どうしたものか
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はじめてのややハスキーなきみの声心で軽くハイタッチ音
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寒風が幾日ぶりか戻り来て ほわり湯気立つ甘酒日和
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還暦を とうに過ぎたる 雛人形 今年も家を 明るく照らす
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ボケよけにと妻のはじめし数独は超難関で我は手が出ず
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五時は五時でも五時じゃない 窓の外、さえずる鳥よ「おやすみなさい」
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光量の数値を測る機械にて測定不可を発するあなた
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