「頑張った」言えたことばに励まされ 次は私が全国やま登る番
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下の子が 同時に全部 脱ごうとし 助けてと言う 冬の脱衣所
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食べたくは ないのだけれど 食べないの かと聞かれると 少し食べたい
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へその緒があった頃から動いてるドックンドックン命の時計
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歳時記読めぬ漢字に喰えぬ蜜柑眼鏡失くして眼鏡探せず
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女医さんの作りし無花果の甘露煮の瓶には糖分ひかへめのラベル
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長袖じゃ足りぬとベストも引き出してストーブ点けよか秋分まえに
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夜ふかしに小腹がすいて冷蔵庫漁り出てくる名残のアイス
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G捕え殺生できぬこの頃は箱をガムテでぐるぐる巻きで
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ひとすじの 光が照らす 眼差しの 先にあるのは 夜中のプリン
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僕が見た景色をここへ描き写す風と匂いも送れるのかな?
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「今夜むり」なことも 早朝あさには できるから 今はただ眠れ 重荷を下ろして
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素麺の季節は終わり余る麺涼しくなればにゅうめんとなる
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夏尽きる秋へのバトンあと少し!落としちゃダメだ受け取ってくれ!
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22時、土木事務所の前を過ぎ 自販機の音 明かりとモーター
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おもむろに蛇口にふくらむ水滴が今日の光をうつして落ちる
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だれを待つでもない恋がさめていく 名前も知らない花がしおれて
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コーヒーを飲むときのしわ 花のにおい 手のあたたかさ 好きだったとこ
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花束を選んでくれた横顔のえくぼがちょっと好きだったかも
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レコードに針落とそうと立ちあがりそのまま雨の音に聴き入る
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暑すぎて 夏日なつび憎らし しろくまと サクレ欲すてふ あとガリガリ君(百人一首・二番に寄せて)
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土砂降りの雨打つ窓の演奏にレコード止めて耳澄ませてみる
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シャンプーをしたかどうかも忘れては立ちすくんでいる風呂マットの上
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会わぬとも 心と心 通じ合う 永遠の友 見つけるために
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秋雨で 水やりもせず 畑には 行かない日々も 時に必要
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土くれで つまったホース 清掃し 敷設し直し 水が溢れん
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奉仕こそ 人の尊き 行いの 全きものと 知りて励まん
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幼子は 神に愛され 成長し 人類のため 命を捨てる
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トラウマは 秘かに陰で 成長し 仇花咲かす 栄光の影
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子供らの ジェネレーションが 指導者に なるわけだから 口は慎め
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