はじめてのややハスキーなきみの声心で軽くハイタッチ音
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寒風が幾日ぶりか戻り来て ほわり湯気立つ甘酒日和
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還暦を とうに過ぎたる 雛人形 今年も家を 明るく照らす
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ボケよけにと妻のはじめし数独は超難関で我は手が出ず
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五時は五時でも五時じゃない 窓の外、さえずる鳥よ「おやすみなさい」
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光量の数値を測る機械にて測定不可を発するあなた
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岩の上牡蠣が育てたシェルターを割ればしたたる潮の記憶よ
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丹田もあっためてるのに 気息奄奄きそくえんえん 月のさわりよ 今月重すぎ
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妖精はどこからやってくるのだろ マジですか?って思わず叫ぶ/ありがとう きのぽ様
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ゲーセンでいろいろぬいを取ったけどいちばんのオキニはカネオくん
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外に出ないで死ぬことをかなしいと感じたこともなかったのにね
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お大事に!私も匂い戻りません。妖精さんよ早く帰って…/よたか様
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鎖国さこくまも台場だいばみなとは 押し寄せる 海の外の 荒浪あらなみえるか
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鎖国さこくまも台場だいばひび文春砲ぶんしゅんほう 海の外まで 波紋はもん広がる
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音もなく優しく私に忍び寄る またまた来たよコロナの妖精
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冬鴨が北へと渡る季節来て池の周りの雪も溶けたり
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これっきり会えない最後のデートでもサバサバとした気分も残り
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ばくだんという玉子入りおでんの具母のなまりと実家の温み
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キレイめの服を着たいと探す春そろそろ店にも行く気になって
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白魚が市場に並ぶこの頃に父の具合も少し良くなり
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紅梅を観に名園へ母と行き茶店で二人お薄を飲んで
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バイト後にサンドバッグを叩く日々口を殴られ血の味がする
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もうすぐに友と別れる時期が来て数十年後の未来は見えず
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春風が吹き抜けていく街角に雑草のみがひっそりと咲く
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定めとは変えられるとの言葉聞き閉じた心がゆっくり開く
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さよならの日に限ってこの街の空は刺すような青。僕は戻らない。
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きみのこと映す液晶の熱さに繋げやしない手のひらを思う
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腕力に満足せずに底上げの積極性を取り戻すまで
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誰とでも繋がっている高校生 大事にしろよ一人の時間
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物憂いに混沌の曲聴いてみる心の糸がほどけて消える
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