天国にないもの教えてあげようか?嘘と苦痛と小説と詩と
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君がいるからもう背筋は伸ばせないままで生きるよ多分きっとね
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怨霊となって貴方の無防備な耳殻みみがらを噛む七日目の夜
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くだらねぇ そうつぶやいた 横顔の 君思い出したくて 影を探す
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ヒナゲシは冬を越す種そう言った帰らぬ人に花摘んでひとり
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なにひとつ思いつかない時にこそなぜか詠みたい短歌の欲求
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来世とか信じる?生まれ変わるなら天使と神様どっちを選ぶ?
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洪水が来たりて太陽燦々と メントスコーラで吹きあがる蟻
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ゆっくりと煙草の箱にキスをしてそれきり姿を見せなくなった
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喉渇きジュースを買いにコンビニへ百円玉を握りしめつつ
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自販機で君が買ってたジュース飲む少し大人の味がしている
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唇を求めるように傾ける石膏像の冷えた鼻筋
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何気なくぼやいた息がひとりでに三十一文字みそひともじになっていく喉
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バタバタと 地球の上で 騒いでる 何で一つに なれないのだろ
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クレームの嵐に耐えて炭と化し 夏の蚊取りに親愛の情
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灰色と化したこの世に見つけたい怠惰な情緒乱すなにかを
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貴方には おそれるものが たくさんある だからそんなに 泣きそうな目で
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「叫んでる、心はずっと」「そうですか……記録にないのでなかったことに」
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私の優しさを君の快楽のために使わないでよ……無理か
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キャッシュレス災害時には役立たず小銭必要大金いらず
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同じ貌だけど今度は本革の財布に爪をたてた夕立
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耳の水ぬるりと抜けてまだ熱い君が好きだと気付いてしまった
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手の端にきらめく指輪 飾りでも証明でもなく防具としての
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ごとに命がちがう花に言う君の「綺麗」どの「綺麗」だろうか
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言われるまで気づかないからこそ人間には救いがあると思ったりする
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地獄なら 千回落ちても かまわない 救いたいんです、彼を、どうか
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「幸せを見せてほしい」と皆が言う 「誰にも見せない」貴方はそう言う
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美しい 君が綺麗なままなのは みんなが守って くれているから
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コロナ禍中 刑事ドラマの 見過ぎかな この頃ホシが すぐ判る 
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玄関に毎朝届く花束2束 ストーカーと殺人鬼から
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