かわいいいぬに見下されることで得られるしあわせはあると思う
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せめてもの暮らしと思いてわれ立ちぬ台所にてもてなす一首を
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新しい自分になると決めた時 明るい色に染まってゆこう
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優しさと 美しさを 持ちたくて 私育てよ あなたの愛で
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いつだって優しい嘘をつく君は 厳しい本当 耐えられないよ
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雪の日に咲く白梅がいいのだといろいろあった君がつぶやく
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かけ過ぎたラー油の辛さ脳天で痒みとなって残ってる帰路
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深呼吸 凍った空気 溜め込んで 一歩踏み出す 勝負の朝は
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タバコ吸う人の同行寒くって換気されてく煙と夜風
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偉そうにバイトを叱る店長に話し掛けたよ空気を読んで
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あな寒し深呼吸するときの我ブルース・リーの構へ思ひき
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一月の空がパタンと閉じてゆく ベンチから見る おおいおおい空
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腹ふくれ酔いが回りし今日もまた日の暮れゆくを幸せという
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もし君が転校したら僕はきっと小石を蹴って帰るだろうね
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鳥かごは いつでも過去を 閉じ込める 広がる空は 見えなくていい
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初来日 たった三文字 ホットニュース 私も思わず マブリースマイル
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僕にないものをたくさん持っていて僕を捨てても幸せな人
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パパバナナ 夜空の向こうを 指差す息子 小さく光る 黄色い三日月
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沈みゆく女の髪と唐織はさぞや美くし壇ノ浦の海
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定時ダッシュ 電車で数える 家事ToDo 目指せゴールは 子たちの寝顔
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かぜふいて いえががたがた ゆれている たおれてひなんじょ こころぼそかろ
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詠みたいと うすら思う日に 穂が揺れて 指が滑った はじめてのうた
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もうきっと 増えることない 思い出を 数えてこれで 何個目だろう
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ぜんせでは にんげんだった ひといても うちゅうじんや プラナリアいない
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僕だけに優しくしてるフリをしてあの女子アナは死人を教える
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憎しみの果てて希望の尽きてでも ラジオ体操第二に入る
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幸せは餅が伸びるくらいの美味しさたくさんけばたくさん配る
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翌朝の舌の火傷で思い出す 夜中に食べたぜんざいの罪
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ベーコンと卵を焼いてそれでおしまい あとはトマトがあれば完璧
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整った顔に唾でも吐きかけて 終わらせたいプラトニック・ラブ
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