毎日が日曜日ではあるのだが休みにならぬ母さんしごと
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春空に母の一字を書いてみる 高さは願い 余白は祈り
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めめと私の人生は一生交わらないそれを寂しいと思う五月雨
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点滴をつけて菖蒲あやめとお茶をする白·紫のドレスの薫る
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残り鴨飛び立たぬのかいまだまだ 訳でもあるか足でも痛いか
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藤棚の 風にそよぎしむらさきの 藤の香漂ふ空の彼方に 
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子らからの妻のスマホへの着信で五十回目の母の日と気づく
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僕だけの全米泣いた真っ青な日だったなあまた明日へ忘れる
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線路だけつづいているよ毎日を歩いてだけどコンビニはどこ?
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ほかほかと 光っているのに 眩しくなくて なんだかそれって 月みたい
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青山椒 今日こそ買わん 地下鉄の通り過ぎたる風も涼しき
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歩くたびポテポテポテと音がする 猫であるはず そうじゃないのか
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いたずらに沫く浅瀬の幸なるは物思えども海へ流るる
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あなただけ どんなに星が瞬けど眩しく映る一等星は
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丑二つ 肴も彩も金もなし 軒先落つる雨音で飲む
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「その脚立いつ買ったのよ。」「あの人と別れる前に選んでもらった。」
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アストリッドとラファエルのあと寝室の灯りが切れて何かミステリー
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ここにある私の夜は静かだし詰めれば一人は入れるけれど
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猫好きが高じて行った写真展 入場半券まだ持っている
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愛犬はシングルコートの小型犬 夏は暑がり冬は寒がり
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一時間会議に出たら一時間給料が出てタバコが買える
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ハハの日に祖母ババの歌詠む我を差し 親不孝とか言われぬだろか
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春ゆえに?やたら抜け毛が多く出る 我の本性猫であったら
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夜の言葉は陽の光に焼かれて種を蒔く
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古いアルバムのページが離れないようにあなたを思い出せない
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換毛期、祖母の飼ってた白猫は 粘着コロコロされてた記憶 /憐れ止められ得る者もなし
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言っちゃった事を後悔するならば1人の方がましなのかもね
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己より僕を大事にしてくれる 老犬きみを愛さずにはいられない
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雨の日は畑の作業は休みゆえ柏まんじゅう亡母と手作り
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ちょっとした ことがうれしく ちょっとした こと気にしたり 全てちょっとの差
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