めずらしく寒さをほざく夫のためシチューを煮こみ秋をむかえる
27
北窓を訪いくる風の心地よさ秋が来ました ミシンをとめて
29
空をよみ言の葉つづれば青もみじ秋風ふけば月もくれない
8
こつこつと 秋の足音耳にして 振り向く戸口に 夏が居座り
23
百円のパスタをベンチですすってたあたしは入道雲の末裔
7
置きっぱで乾いてしまったコンタクト 爪引っ掛けて剥がした夜は
7
この頬を撫でたあなたと絡ませた指から伝う温度柔く今
3
考えがあるのあなたは悠久の時を過ごす相手ではないから、
4
道端の蝉 85円のアイス 涼しい部屋 あなたの泣いた顔
3
返さないそうすりゃこのさよならだって未完成のまま終わってくれる
4
アイス好き モアイもかわいい 愛だって! あいうえおって 始めた人天才
3
AIに疲れの元を相談しスマホを閉じて休めと言われ
27
感情を捨てて一人になりたいが みんなわたしを忘れてくれない
5
幸せは歩いて来ないとは言えど駆けて行くにもあまりに遠し
13
メモリ喰うLINE動画の孫の笑み保存の爺の頬を緩ます
7
さて悩む長月に歌ふたつ詠むどうすりゃいいか頭ぐちゃぐちゃ
5
国にあり 人にもあれば 猫にもある 品格といふ そこはかとなきもの
16
指先の爪に半月あることを疑ひもせず人は日々生く
12
橋も家もひと飲みにしてランタンの崩れし氷河押し寄する見ゆ /2026年8月26日ネパール大土石流発生
13
草いきれ懐かし思う秋が来りゃ冬に怯えて春に焦がれる
5
この施設生きて戻れぬ部屋がありなんまんだぶと手のひら合わせ
6
背も伸びて 息子と遊ぶ もーいいかい まぁだだよって これが寂しさか
4
誤解して誤解されたるその先に誰も知らない君と僕あり
21
画材買い経費で落とすプロ気取りされど作品でたらめである
6
機種変で使いこなせぬ携帯に悔いても遅し先には立たず
6
似ても似ぬ似顔絵描いて赤面し御祝いと言いそつと差し出す
8
左手は荷物 右手は君の左手 くたびれないデニムのポッケ
3
お便りに夏のひと日を綴る夕夢の旅路は雲の彼方か
12
雲の間に夏の足音きらきらと光あふれて風も薫るよ(ちょっと前の歌)
6
伸び代だ 踠(もが)き悩める 若人(わこうど)に 過去を重ねて 背中をたたく
15