君となら死んでもいいと思うことそれが恋だと今ならわかる
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桜降る心は今も冬なれど君の側には春来るらむか
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雀の子公園の下に落ちており 両手に包みミルク含ませ
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数ヶ月後に追い越してしまう歳 雲よ このまま  流れ な  い で  よ
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落ちてゆく視力のことを言い出せずふたりはいつもひとりだったね
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寝るための準備万端ととのえて寝落ちしたのが今きいている…
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重力というものがもしなかったらふわふわ浮いていられるのかな
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土色のシェヘラザードを抱き上げて赤いりんごをひとつ放った
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ひと房のむしられた花 蕊だけが枝に残って上を向きおる
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朝もやの晴れぬ中ならあの顔も思い出せそうで口が乾く
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あっけなく人は亡くなる現実に日本が気付くコメディアンの死
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ふと私達ぼくらは赤の他人でありながら互いが兄弟しまいなのだと、思う
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川面へと石を投げ込む輪のようにとんとんとんと広がる噂
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妹御いもとごの骨つぼのごと白き腿から目をそらす 死者の教室
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まだ眠いもうすぐ起きるそんなこと繰り返ししてオトナになった
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‪種無しの西瓜みたいなさみしさがずっと襲ってくるから困る
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わかったよ 当事者として意識する 安倍を下ろして自分を守る
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某の上位互換になれずとも貴方は貴方にしかなれない
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キューピットさえも恋路を見放して青く燻んでいくような春
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フェミニンを拒絶する肩と足のカド ただの男に成ってしまった
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初めての土地で桜を観ているの? 来年こそは一緒に観よう
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ペタペタと裸足になって歩いてく渚の音を聞き分けながら
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馬たちは数億稼いで人参喰む走りに走り人参喰む
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擦過傷よ もう歌うな おれの昼をこの家の誰も眠るのだから
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「菜の花忌」十四歳より愛すなり 志立て「歴小」読みたり
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さびしいとファボ爆ばかりしてしまう そうですいつもさびしいんです
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さびしいと感じることが悲しくて こんなにいつも誰かいるのに
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知らぬ間に「苦くて黒い湯啜りつつ働く人」になってしまった
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この次にコップの氷が溶解しかちりというのを春と呼ぼうよ
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知らぬ街、駅前のカプセルの中、リヴァイアサンに飲まれてくこと
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