校則の厳しい彼女たちのロッカー誰かが置いてった除光液
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一人称が「世界」の人が言っていた美味しいサバの味噌煮がたべたい
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前世ぜんせいは芝生だったという人のかけだしたあとを見守る母よ
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夕空に色おりおりがかさなって窮屈そうにする夏の虹
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ソーサーとカップを伏せて組み合はすラスト平安貴族の子らよ
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蜚蠊ごきぶりや 背広の影縞かげしま消えるまで隠れて暮らす みかん箱の底
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ポリ製の心で熱に弱いけどいくら泣いてもまもなく浮かぶ
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マスクした露出狂も出没する 桜舞い散るコロナウィルスの街
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さくら、さくらの名を持ったすべてが舞って、あなたのスカート
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あとわずかあと五センチで君の手に触れられそうで幸せになる
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「いらっしゃいませ」も言わずに黙々と品出しをする 何が自粛だ
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トパーズのルビーの様なビーズ作り 女の子達の心の器用さ
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バスタオル干せば西日に人肌のごとき風あり もう春よ春
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アズ・スロウ・アズ・ポッシブル オルガンの千年を地球ほしとかに捧げる
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インスタント味噌汁 バナナ 肉 魚 油 ふりかけ 明日買うもの
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一日で100%いなくなる 使い捨てなり マイアンブレラ
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ニッコリと人と挨拶交わしける制服姿「可愛い」と云われ
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ポテサラの「その他」の部分、宇宙だと星とか以外の黒のことらし
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Je me demande si tu préfères «je t'égorge» à «je t'aime».「すき」よりも「のどもとに刃をつきたてる」がきみのよろこぶことばなのかな
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いつになく夜が恋しい後ろ髪引かれる先に夢が微笑む
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日常と非日常とを行き来する世界の名前はまだ呼べぬまま
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実践プラクティス業としての夜プロスティテュート冥界の春プロセルピナ書かれ得ぬ声プロソディー加料鋼琴プリペアド・ピアノ
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新学期のみなさまにお知らせします 人類はもう滅亡しました
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我々は歴史の中に今いるね 世界が変わってゆくところだね
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コロナ前コロナ後と分ける世界になるね 戦前戦後みたいになるね
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モミザ畑賢治の「ブスコーブドリ」なる 伝記の結び涙ホロリと
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かぎりなく嫉妬めいたあこがれを強くにぎった手でつたえ 「ママ」
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薄目あけて見るきみの顔が美しい花みたいで路傍ろぼうにぽつん
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きみとなら生きてみたいと遅すぎる返事をどこに置いたらいいの
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ちくちくと編み続けてたストールを母へと贈る今日の佳き日に
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