電線工事 何をするかと 見上げると 混み入りし線 こんなにあるのか 
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ポテサラにパイナップルを入れながら酢豚にリンゴはいけると気付く
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老いる母 半世紀前に リクエスト 「上を向いて歩こう」 ほんとだね
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退院の タイミングとは 治癒で無く 病院さまの 大人の都合
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イケメンの前では生年月日の欄黒塗りになれマイナンバーカード
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心臓も脳みそも開いてみてもどこにもないでしょわたしの心
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快挙なり 春の球宴WBC 日本勝ち 後に続きし 子らを育てよ
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「同棲」の二文字が野生的過ぎて「共生」くらいが丁度良い春
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拡大し見つめる君の手のひらを ツメの甘さはどこにあるかな
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予告なく始発列車で来た春に寝ぼけまなこで「はい」と答える
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顔本で一番歳を感じるのは知人の姓が変わってたとき
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きめている吾の最期は最愛の キミの笑顔を想いながら逝く
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きみという子がいたことを歌に詠む百年のちも色褪せぬよう
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きみとの想い出すくい上げる度きみののこした色が濃くなる
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花雨に木々の芽吹ぞ進みおり春の息吹の満ち満ち足りし
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少額の 年金を貯め 小金にし 帰る息子に 握らせる母
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やはらかにうるほひ満たす春の雨地に降りそゝぎて恵みとなりなむ
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灰になる前に余熱が残ってる焚き火を少し眺めていたい
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あと何年生きられるかな熱湯を急須に注ぎ茶葉をながめる
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ふるさとがどこにあるのか分からないような感じのふるさとがある
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また春がやって来たんだ「きっと」って卒業生が泣きながら言う
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幸せか不幸だったか分からないやたら眩しい朝のテーブル
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きみの寄越すいいねに罪は無いけれどほんのり不快というだけなのだ
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白昼夢見ているみたい、と言ったあと あなたはどこかに消えてしまった
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本と本 のすき間に眠りし 一匹の か弱き者に 捧ぐレクイエム
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四捨五入したら四十なる女主人が営む 居酒屋あじさい
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こないでよお願いだからじっとして泣かないでもうそこのわたしよ
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そこにいるはずのないもの見ているのじっとみてくる過去のわたしが
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空の色泣いているのと呟いた返事はないが雨粒一つ
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失った夢にこだわりそこにいる新たな夢を見逃さないで
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