春嵐も過ぎゆき晴れの門出かな 澄むよに青い空よ続けよ 
43
制服に 別れを告ぐるそのときは  君の未来を 必ずやささえ
2
碧一面 浮かぶ白に春思ふ  太陽の輝き 日毎に増しつ
3
10分であなたの価値を羅列して明日を生きて良いか決めます
5
この頃は毎年浜に揚がるので異変の多い世間になった
2
待ちかねし春分なれど吹雪くなり「名残の冬」かとため息をつく
9
処処に啼鳥を聞かずに二度寝する 生きるいみなどないものだよな
3
忘れゆく微睡(まどろ)みで見た甘い夢 交わした接吻(キス)は誰の唇
6
昼過ぎてまだまだベッドと添い寝中 推しがどうやら結婚したらしい
5
失った 言葉は再び 反芻(はんすう)して 吐き出せ吾が背 短歌男子(灯屋くん)よ
13
レンチンを 初めて使った 少年が 錬成したのは 暗黒物質
6
もう一度ふらりとあの人に会いたい 叶わないかな春の彼岸に
12
あさごはん 目玉焼きひとつにウインナー ほうれん草のおまけつき
3
鰹節みたいに踊れたらいいのに わたしの体は重すぎて
6
返信の文字で聞こえる言い回し確かな貴方の言葉と思う
14
何のためでもない僕のちょっとの愛と勇気と少しの苦悩
6
人間の黒の部分が嫌だから濁ることなく透明になれ
12
お詫び状ラインしなくて良いけれど返信欲しさに丁寧に打つ
6
吹雪く和歌師に褒められる有り様に心ときめき言葉うしなう
13
まっしろの「っ」と「し」の間にしかいない呼吸未満型余白を愛せ
9
一切の罪を犯さなかったという証としての青色免許
7
また春が来たから会いに行ったけど君が遠くて一人で帰る
5
夢の中 思い出よりも鮮やかに 寄り添う君を感じていたよ
7
懐かしい 好きな曲入れ 文字(もじ)手書き 当時のベスト カセットテープ
6
春の嵐 窓を揺らす 風に 湯船に浸かる 溢れる水音
5
進みそうで進まないちょっと進むけどまた止まる私みたいだね仕事
7
灰になり墓石の傷になるのなら 何をするのも意味などなくて
2
楽しいとやりたいのだと思へども 意味はあるかと母が訊ねる
2
お腹にもたれ あたためてくれるチビ猫や 亡き長女猫(あのこ)もそこ定位置だった
6
暗い部屋で 灯りを付ける 少しだけ この静寂が(よるのしじまが) ちょっと苦しい
11