生まれざりしひとつのいのち想ひつつなまたまご割る音のかそけき
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ラーメンがどこで食えるか知らないが酒屋のありかならわかる春
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店ゆくごとペンを買う我いつもいつも もの書きする為大志抱く為
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朝4時の青く冷たい静けさは私を責めてるような気がする
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つぶやくと他人事に見えるすこしずつこのからだから切り離していく
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後悔ははかなきものと知りたれど悔やまずをれぬ、生まれしことを。
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道のへに足をくじきて呼ばへども助けのあらぬ心のつらさよ
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白い皿汚してしまう食べ方を愛してくれる君がいいです
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砂浜に書く文字ほどの儚さを知ればLINEのスクショなどとる
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僕ばかり理不尽な目にあっている 教えてほしい人生の意味
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"If you were to return as my girlfriend?" "……(Continue, write your reply here)."もし僕が最初からやり直そうと言ったら君は何て返すの?
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‪本編のストーリーよりやり込んだあのミニゲーム覚えてますか‬
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間違えてお粥を白米コースで炊き、炊飯器から吹きこぼれけり。
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六時起き身体の中に浸透し 「春が来たよ」と微笑む太陽
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何もない道で転んで 何もかもどうでもよくて 立ち上がれない。
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‪夢に見るきみはいちまいだけのこる写真のままで年をとらない‬
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条文に割り込んでくるウグイスの声にいきづくあかりとりまど
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こまどりや 今年は結局あなたとは会っていないし春も無かった
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死神も悪魔も鵺も妖怪も貴方も幸せになればいい
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この四月桜舞い散る淋しさを幾年見たか故人の言葉
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つぶらな瞳に負けて餌をやる。どちらが手懐けられているのか。
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オジュウの目静かに見据え跳び超えたシングルマイケル虹かかるなり
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草も木も花も野菜もコロナなし生きていけるよカラスが唱う
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ウイルスは三カ月で世界を変えた田んぼには水カエル泣き出す
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いつの間にか伝染する某についた名前は数多わからず
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朗読を浴びてインコはただひとり文語を使う風立ちぬ。いざ
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窓の外、白く伸びるケーブルを飛行機雲と見間違えたり。
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想い出が歳月かけて発酵し読書のコウジで地酒の詩になる
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君の顔いつから見なくなったかな 祈ることしかできなくてごめん
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墨色の鶏卵たまご割るごとおしまひのきみは予言により死せる生
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