即席のプレイリストは7曲目 バスは来たのに貴方は来ない
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明日あすから日ごとに夜が延びる 太陽に縮む影とは裏腹に
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分からない分からないんだ何もかも太陽が死ぬことを除けば
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「抜くまでは確かに白髪だったんだよ」と鏡の中の自分が言い訳
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眼球に光学素子を装着し恋する乙女は武装開始
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サブスクで葬儀の曲を選べども喪主も家族も一人もおらず
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ドリフトの遠心力で共寝した平成もいま資料館へと
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夏至の夕白藤色の地平へと長い夕日は落ちてゆくかな
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茜空ため息のたび薄れゆく明日も君のいない朝かな
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大会の朝五時半の校庭は少しよそよそしい風が吹く
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辛くても休まず通っていた理由大人になった今なら分かる
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増えすぎたカバを食えよと言うような船頭が欲しいデタラメでも良い
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花火師の天地創造手際よく夏祭りまた世界は終わる
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歯磨きをしてる時だけ無視できる社会や世界や輪廻転生
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そぼ濡れて帰りし我が子の制服を干せば雨よりひなたの匂い
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あの町で僕の帰りを待っている人がいるから燃える夕焼け
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弱くても愚かでも生きていていいと 自分ではないものには言える
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引き波が連れ去るアニメキャラたちに手を振るクールジャパン推進課
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月曜日襲来せりと零時の音ピッとささやき我を脅せり
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舶来のスマホ舶来のアプリで日の丸語るデラシネの群れ
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笑ってよと泣く君の耳に揺れるピアス 海まであと400メートル
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業務用恋愛不法運用の罪に処されたかぐや姫かな
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「ニューエラのシールは剥がすもんちゃうで」阪神ファンの祖父の忠告
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魔女たちは やがて反旗を翻し かぼちゃの馬車も 狩り尽くすのだ
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闇すらも 手放したくはないのだと 貧乏性がゆえの妄執
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ひしひしと打ち明けられた友の罪 僕は上手に聴けただろうか
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潜りこむプールの奥に銀色の光に刺され魚になりぬ
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この世には 制限だらけ 窮屈で 使い回しに へとへとでっせ
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鳴かぬなら 誰も聞こえぬ 呟きを 鳴けば誰かが 聞くかもしれず
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恩返し できないけれど 母の愛 確かに悟る この歳になり
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