不死鳥Phoenix かつて栄えた陽区すぺいんの旗 「残念!」琵琶が鳴り響く
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嗚呼橋がかかり 君の 聲が届かぬ四足二輪の 敵対国チャリオット
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殺してやる、殺してやると叫ぶほど命を重視していたらしい
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「あなただけ」思ってたのは私だけ なんて言うかよ、自惚れんなばか
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梅桜花水木さえ咲き尽くし緑を湛え向日葵を待つ
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蟻や蟻シルクロードを歩むのか背に積むそれは蝉の死骸
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臆病を抱いてただただ目が冴える大の字の夜 月が明るい
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カーテンを閉めきってなお射す光ひとの希望はそういうものだ
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アスファルトにうちいでてみても白妙の乙女はおらず立ち尽くすのみ
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毎朝の冷凍食のパスタにも吐き気もよおすほどの平日
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青空は遠く地面は近いもの逆になるとき人は死ぬのだ
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壊れたが口癖になってしまうほど私の心も壊れてしまい
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ワンピース真白きモデル処女でなし天使でもなし女神でもなし
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身が痺れストレッチャーに寝かされて見る青空と雲のむごさよ
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梅雨明けの空にかさぶた鱗雲 傷のあとにも虹のあれかし
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どこからが海かはっきりわからずにまぶたを擦る夢はまほろば
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心音のひとりっきりの切なくてひとりふたりと靴をそろえる
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T嬢へ。飛翔が許す臨界を。鉱石製の翼のために。
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一番の罪は忘れることだよと言ったあなたが遺す煙滅
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海原に 日が落つるとき 鳴り止まぬ アダージェットが耳に木霊し
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心臓に一番近い肋骨に錠をかけたる我が恋なれば
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「護衛艦巻きとなさい」と先生の仰って一万リツイート
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無愛想は Heelのわたしの 処世術 ー不管喜欢还是不喜欢好む好まざるに関わらず
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「現代」と いふ名のなかに 貧乏や悲惨隠しぬ あの街明かり
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扇風機に溜め息つけど憂鬱は笑いにならず夏至の更けたる
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幻想は遠きにあるを思うものそして十五で飽きるべきもの
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青錆びた空薬莢を拾い上げはしゃぐ私ともの思う君
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有能さ、無能さどちらで競っても一位にはなれない人の群
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君の横で そよぐ毛流れ 春風は 喜怒哀楽を 乗せどこまでも
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ため息がつくる未来もあるでしょう それでもきみの笑顔が見たい
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