救われない 想いなんて ありふれている この爽やかな 青空のように
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告白をすると私は卑怯者白い百合って鉄砲みたい
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わがままなキミはいつかの ハッカ味 「もういらないの」 好きじゃないから
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古い地図捨てて真白な草原へ怪我をするのはのぞむところと
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乗り合わせただけの僕らだメリーゴーランドのように季節はめぐる
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薄荷だけ出るドロップの缶のように淋しさばかり生みだすこころ
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AIよ 理解できるか人間は 不合理だらけでこりごりなのだ
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昼下り山積みの仕事やる気出ず 五七五捻る  現実逃避に
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煌めきを放つ舞台の立ち姿 夢か現かコロナ禍の夢
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まあしかし幸運だったこうやって家族を離れ生きられるのは
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天気雨 笑いながら泣くその君の心に内に傘させたらなぁ
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行き場のない「ただいま」も奪い去る 君が「おかえり」と言う 猫と一緒に
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降る雨に 生きていますか今、君は それを知らない程に離れた
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終末の時間軸から来た人へきょうの恋愛運勢を問う
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好きでした。君が歌ったあの曲も。あの曲を歌うあの日の君も。
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高速へ曲がる荷台に飛び乗れば 僕はどこまで行けるのだろう
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日は真上 ゆらり揺られる 鉄箱の 外の世界は 異世界かしら
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夏だねとほほ笑む君から落ちる汗 このままずっと夏ならいいのに
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「あなたにはいつも笑っていてほしい」私は確かに愛されていた
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幽霊はどこにでもいる 春過ぎて光は可視化された徒花
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「猛犬は死んだ」のシールこの街が静かなわけを教えてくれる
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惜別の覚悟を決めたその朝は背筋が1ミリ天へと伸びる
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道端で修行と称して立っているような仕事が消えた近代
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体温も笑顔も持たぬ機械でも恋情とやら持ちえるらしい
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遠い夏シロツメクサを編みながら遥かを想った それはここだよ
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帰り道同じと知った君もあの桜の下を通っていたの
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気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
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一瞬の光をぼくに焼きつけるきみはアイドルそして流星
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用有りて 久方ぶりに会う叔父に 今亡き父の面影を見る
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やらなきゃと焦る気持ちとうらはらに 身体はのんびり 休日の朝
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