手が届く その時までは と言えず黙る 十五の深秋
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「お母さん、頑張りすぎよ」その言葉 私の心に一番染みる
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憧れる人ももちろんいるけれど 私は私で頑張ってみる
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五年目のテレビは既に映らない音声だけがくっきり響き
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空席を 穴あくくらい 見つめても あなたの姿 消えてくれない
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好きな子はいないと答える我が息子 「女子は怖いよ」 悟りの境地
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霧立ちて比良山おろし寒からし堅田に落つるかりがねの声
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通勤のためだけ空を飛べる魔法便利のようないらないような
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「母さんもやってみない?」と誘う息子キミ 今週土曜日ゴルフデビューす
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むかしした可愛い悪事あくじを並べては それのばつだと背負って歩く
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カーテンをサッと開けては目を見張る 窓ガラスに初結露を見る
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「クソババア」いつか言われる時がくる クソではないがババアではある
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賑やかな 冬デザインの ニベア缶 〝 そういう時期か 〟と 移ろいを知る
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踏みしめた 落ち葉が囁く 「おかえり」に 心色づく 秋の夕暮れ
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なんて事!いつの間にやらダンナより 体重重い四十路の私
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はてしなく広いとかつて思ってたテーマパークが案外狭い
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触れたくて仕方なかったその肌は 猛毒を持ち こころ惑わす
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コーヒーを淹れる手元と横顔を思い出すたび叫びたくなる
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わかってる 愛ではなくて執着と それでもあなたを忘れられない
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死にたくてどこにもいけない日の夜にUber使って食べる夕食
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招き猫働けど働けどただ人を呼び寄せるだけの術
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秋来ぬと目にもさやかに見える頃もうすぐ故郷は鮭に沸く頃
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うちの猫らも保護猫でした べつべつに 半年違いで家に来ました
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私から彼を奪っていく猫は大抵黒ではなくて灰色
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お伊勢茶を大事に置いてて期限切れ コンビニ塩豆大福を食む
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こねこの時もらわれてった保護猫よ いまも元気に暮らしているか
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野良猫に 亡き愛猫の名を呼べば 涙がポロリ  ごめんねお行き
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きみは喜ばないだろうけど、今ここで生きててくれてありがとう
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うつくしいお前を祝うためだけにあらゆる炎が風に吹かれる
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座椅子の上 アンモニャイトがふたつ並ぶ 陽当たりも良く わが猫らスヤスヤ
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