君の音が 声がすべてを 飲み込んで 世界が海になればいいのに
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何度でも 思い知らされ 生きていく 足りないものも 届かぬものも
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ホタルにね 憧れちゃうね 真似しよか モールス信号 夜に「ア・イ・シ・テ・ル」
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あわよくば 誰かの救いであれと願う あるいは「刺され」と祈って歌う
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つらいとか 被害者面を する気はない 傷ついてるのは 貴方だから
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がくあじさい そういう花だと知らないで あなたは六月むつきの嵐を想う
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愛想笑い みんなが好きな ものが好き 本物の私? 君の隣かな
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もこもこと積乱雲を乗り越えて夏の向こうに行ける気がした
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ただひとつ望みを叶えてくれるなら 願うことなどない人生を
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カーテンにはね返された光粒こうりゅうの断片でいい 譲ってくれない?
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ひさかたのそらにひれ伏すことあらば うをのおそれを知りたもうひと
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おとといの紙飛行機がパリを越え 地中海のあくたとならば
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特選とシールのついた果物のようになりたい契約更新
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オンラインプラネタリウム待つ顔が暗闇の中画面に浮かぶ
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この街で星は見えない見上げない今は帰れぬ故郷を思う
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髪型も服の好みも住むとこも男も変えてそのままわたし
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墨こぼし 染め布になる 制服の 色を言うなら 「焦夜色こがしよのいろ
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このままで いさせて欲しい 君だけど 私は早く テレビ見たいの
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5分ごと 重ねがけにした目覚ましも 私の翼は奪えなかった
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窓覆うあけびの葉叩く通り雨 一服涼得た虫の響きよ
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誕生日、血液型も教えてね 占ったりはしたくないけど
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君のこと知ったかぶりをしていたの 顔と名前と生年月日
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蚊に刺され昨年ぶりのキンカンの蓋を開ければ鼻を突く夏
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もう二度と会えないような顔なんてしなかったじゃん桜の下で
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あぁ、そうか あの日の報いか あの晩に 俺が世界を 呪ったからか
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「生きている」「働く」という条件の必要・十分、狂った社会
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鳴かずとも食わせてやろうホトトギス こゑばかりもの吾不在あらね
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イケメンと一緒にUNIQLO行ってみな 己を知るとはこれかと思うぜ
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悲しみが 目から耳から 吹き出して やがておぞましい 木になるでしょう
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僕の手をグローブみたいと笑ってる甘い指先君が滴る
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