寒い部屋ひとが怖くて夜が明ける
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手に垂らすシャンプー冷たく冬の来てシャンプーボトルに死神潜む
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情報が 人の心を 操れば 実体無き世 仮想空間
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ラブソング あの子に歌う カラオケで そんなことした コロナ前
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おみやげの東京バナナのふわふわに優しさを感じる私疲れてる
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年寄りが 一人あちこち 自転車で 駆けまわるのは 子供のように
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立ち漕ぎが 足に応える この痛み 生きてるんだな 力を込めろ
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あなたから 愛されなくて 涙する 心の中を 誰も知らない
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自転車で 2回転べば ふと思う 死ぬとはまさに 転ぶことだな
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爺とは 夢を諦め 現実に 埋もれていつか 死を受け入れる
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自転車で 二回転んで 帰宅して 妻は心配 自転車のこと
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バスの窓結露を拭ったてのひらの冷たさに冬の訪れ感じる
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渡り来る白鳥の群れV字型秋の空気を冬に裂きつつ
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不安げに 所在なさげに佇んで なおやわらかく微笑む 君だ
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春だね、と いつかあなたと笑いたい それぞれ生きると決めた場所で
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つらくとも 見届けなくては 彼がこの先に進むであろう未来を
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晴天や 学ぶをおどろふ アキアカネ もう衣替えの 季節かな
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君の前だと僕は石 僕の前 君はこんなに 軽やかな風
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金色のスプレー舞って冬を嗅ぐ籠に盛られた蜜柑むくゆび
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降る雪のためにタイヤを交換す「白い妖精」などは降らない
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思秋期や落ち歯入れ歯になりにけり悟り開けず人生閉じる
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君がしあわせでいることで幸せになれる人らに混じりたかった
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ともだちが愛と勇気だけなんてさみしくないの?あんぱんたべる?
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だらしなく下がる目尻は嘘が下手 だから言ったでしょうおいしいって
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双眸の庭の小さな白い花 誰にもさわれないユートピア
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友情と愛情の間の天秤のバランス崩れ貴方はいない
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人あまたゐてそのうちのただ一人のみ我なりと知りし日のこと
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空虚など気付かなかった すれ違いざまにあなたが微笑むまでは
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「ていねいなくらし」の文字が踊る雑誌を横切った深夜のコンビニ
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どちらかというと適合しないほう 社会と呼ばれるこのケースでは
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