五輪の輪 利権と私腹絡み合う 汚職の服は濡れ衣なのか
0
製品と端切れを繋ぐ黙々と 心無になる写経に似たり
1
子供らの遊び場と化す我が部屋は掃除諦め あと七日間
2
朝顔の様に君からツルが延び僕らの夏の観察日記
10
貝ガラを右耳にそっとあてる君また来る夏の音を聴く様に
11
日焼け見て 少女は不良ギャルか 泳ぎでか 旅疲れなき 若さ羨む
0
しかたがない、しかたがないと言いながら集団で殴る蹴るなどをする
1
Uターン 明けた勤めで 不調あり 疲れとれざる 我が身衰え
0
瑞々し帰省みやげは代々の恩恵の味減りゆき惜しむ
1
立場とか好意なんて捨てちゃえ 私は私が一番かわいい
1
左手をいつも隠しているけど秘密があるなら言ってよ、嫌い
0
サンダルを波にとられて子は海の足のサイズを心配してる
11
海近い独身貴族からライン 酒と肴と夜の誘惑
1
チョコレート溶けゆく速さ儚いね 溶けて心に沈みゆくもの
1
かき氷食べて頭がズキズキと 痛みとともにモヤモヤも去れ
1
竹の葉の雨音 暝して聞きおれば楓の内より鳩なき始め
2
体力と気力のほかに欲しいもの サマージャンボが当たるといいな
4
食べさせる兄雛鳥のように口開ける弟 珍しき朝
1
愛なんて正解なんてないけれど 最適解を求めてさまよう
3
げんきないきみにわたしができること なにもしないことそれかもしれない
2
盆明けの 就業復帰その初め 残業あると 異常を悟り
0
毎朝の納品しつつ盆休み 子と戯れる酒は昼から
4
貧しさと心の豊か同居する四畳半の唄南こうせつ
0
音だけを頼りに描く夏夜空 隣の町の花火大会
1
鬼灯ほおずきの笛鳴らなかったと母笑い一房貰う送り盆かな
2
鍵付きの心をきみの合鍵のような言葉で開いてほしい
4
不器用に道端の花輪っかにし指に永久就職オファー
4
盛夏雨 送り盆して 降る雨に また来年と 偲び空見る
2
誰か一人耐えれば誰かが救われるような仕組みでないのはわかる
0
馬に乗るご先祖さまはどのあたり 迎え火ゆらす風にたずねる
6