お出かけの機を失つた日曜の午後に傾くstill water
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睡眠と君の寝顔を引き換えにいつでも出すよ心と体
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絶望に人びと喘ぐ映画観てエンドルフィンを分泌する君
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太陽さえも嫉妬する 心を溶かす その明るさ その笑顔に
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立って雪歩いても雪ろくでない僕が走ってもまだ冬寂し
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要るときは軛はずれて降ってくるこれが時節というものかもね
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甘いからみどりがいいと言うのだがこの際色はかんけいないな
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ほうじ茶が入った器青の色香りと色にしんたれる
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ひとり酒相手欲しさにそそいだがけっして赤くならぬ白梅
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関係をねじ切る前の曖昧な笑みばっかりを思い出す、馬鹿
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中味の無さそうな呑み会を横目に生活と貯金の話など
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給水のボランティアする子が映り 拍手喝采応援する母
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初めての彼女の手料理食べてみた言わなかったがマズ!マズ!の出来
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快速が通過する町の住人の知られず終わる恋物語
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歓楽の街に行き交ふ人々の首をめがけて粉雪が降り
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諍いの元は必ず愛でしたズボラは母似O脚は父似
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砲列のごとくにカメラ いつ来るか分からぬ川せみを待ち
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神も仏もいるにはいるがこれよりもよくしてくれることはない
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コーヒーにみぞれシロップ足す これは夜の気流へ捧ぐ盃
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人間がたくさんいるのは知っているから、この部屋は一人で十分
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待ってても不意に輝く日は来ない整体院の予約を入れる
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世界中すべてが敵であるようなそんな不安で動けないでいる
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いつまでも続く命じゃないけれど金が惜しくて本が買えない
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耐えかねて壁を殴って水を飲む水には耳がないからいいな
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部屋のドア開ければ全て海であれ台風の夜にいつでも願う
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結ばれぬ僕ら2人の毎日の会話の終わりの心の奥の
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俺だけが間違っている訳じゃないそう言い聞かせて自分をあやす
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呪いとは普通に日々の中にあり全然神秘的じゃないものよ
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眠れずに短歌を作ってやり過ごす短歌があるだけよかったと思う
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自分しか自分を守るものはないそれってめちゃくちゃ怖くないですか
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