幸せになってねなんてずるい君幸せになるね息が白い
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入口のみ消毒液は設置され客が持ち込む前提である
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枝先に止まるウグイス湖の雨寒きにも見に行く私
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笑いたくなければ笑わなくていい自由の主張としての無表情
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明日から二分の一の呼吸だけになる部屋ネクタイ曲がってるよ
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雪は春の足音を吸い取って 君の体温だけが移った
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「ごめんね」という感情と闘っていた 君のこと見ているつもりで
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自殺しちゃいけない理由わけは分からないでもとりあえず君と生きたい
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先に立つ影を燻らせ金木犀またねと手を振りそれじゃあ夢で
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俯いた君の隣でいつまでも寄り添うノンステバスになりたい
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だいじょうぶきっと生きていけるってたとえ推しが感染しても
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最後の日とは言いつつも変わらずに特別な日の終わりのみ告ぐ
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時代越え 令和を生きる 九十八 今を詠う 大正生まれ
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好きな人の一字一句に一喜一憂 やめたいのだけどやめたくない
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くらやみしか知らない深海魚のように君だけを見てしまう教室
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今きみの生き甲斐はなに? ぼくはもう写真を見返さなくなったよ
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薄靄の春夏秋はるなつあきを拒絶せよ 我をきりりとさせる凍空
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ふざけんな今に見てろよあの言葉塩ラーメンの水面が揺れる
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「皆とても楽しそうだね」「そりゃまあね、統制が行き届いてるから」
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神の手に 委ねて生きる 人生に 恐れなどなし 使命を果たせ
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体面を 気にしてばかり いるうちは 自由になれぬ 生きてもいない
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友もなく 心を塞ぐ 人生に お別れをして 恥など要らん
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人は人 友を欲する ものなれど 心が燃ゆる 友に出会いて
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夕闇の 車内に響く 君の声 老いた私の 魂燃ゆる
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君たちの 道はとっくに 始まりぬ 人生ならば 引き受けましょ
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大人らの ひどい模範に 傷つけば 子供は沈み 心を塞ぐ
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話すんだ 辛いことやら 嫌なこと 文句言わずに 背負い込むなかれ
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悲しみを 背負いきれない 童顔の 君の小さな 心は疼く
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この坂を 降りたところで 降ろすから バタンと閉めた 君は佇む
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制服をもう着ることのない私はいったい何になったのだろう
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