6年の片思いに寄り添ってくれたカレそれもゆがんだ愛のカタチか
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読み難き月極の文字見る度に地主の名だと思い込む父
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掻く脛の乾燥皮膚のかさかさに滲むや新湯の肉も抉れと
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日中は夢現ゆめうつつなり浮遊して宙を足掻あがけば目に枝刺さり
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渋くって苦く酸っぱい冷めかけのカップの底を回るバランス
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農家から育った者が米粒の苦しさ聞かず辛かったろう
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一昨年の米のすべてがカビついて食べられぬけど土へと還す
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君と僕 手を取り合っていられたら世界だって覆せるよ
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泣きそうなコーヒーカップにうつる顔一口すすり涙ごとのむ
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ずっと熱にうなされている 風邪じゃないこれはきっと恋煩い
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さりげなく自転車つきつつ車道側歩くあなたはわたしのナイト
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我をまだ打ち伏せようとする神にそれでもすがり 祈り続ける
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どの論理から来たバグか食えもしない花の周りに群れているのは
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草むしりしながら「草菅人命」の喩えを再発明した土曜
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「土に根ざす」とか人間が言っている。言語はかくも比喩を愛する。
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「家族にはなれない。せめて蘚苔のレベルに達していない限りは。」
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「もし仮にウミウシ式の体なら繁殖する気になれただろうか」
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芍薬は三千種もある君の立ち姿に似たのきっと見つける
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文字にして過ぎ行く日々を残さねばいつかきっと忘れちゃうから
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もうこんな早い時間に夜が明けるせめても暗い時間に寝たい
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まだしなぬ バァバはうちの いきぼとけ いきてるうちに したいことしとく
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あいつより上手に散ってみせるから次はおまえと指さしてくれ
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干支ひとつよりも大きな後悔をこちらの生で思い知らせろ
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恋人の小さなしっぽに触れるたび 今のままでいいのかとなる
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片思い想って悩み泣いていた そんな幼い自分がいとしい
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「相当の大地主おおじぬしばい」父の言う“大地主”の名は【月極さん】らし
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詰め込んで煮込み揉み込み押し込んで運んでもらってカラッと揚げて
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人類の最終兵器「慣れること」鈍感力はワクチンに勝ち
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鳥たちが薔薇を啄む楽園にわたしときみは必要ないね
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日常のなんてことないひとコマをドラマに変える三十一文字
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