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鳥になり世界の春を俯瞰して 誰かの流す涙愛した
4
来し方も行く末もただ桜にて慣れし山路に惑ひぬるかな
1
桜塗り「もっとピンクに」正されて図画工作をきらいになった
7
新しい朝がきた希望の朝だ 昨日絶望したから言える
3
文庫本に挟んで忘れられている栞みたいな人でありたい
3
五七五七七の句をドラム譜の八分音符に乗せて味わう
2
夜を編む神の気まぐれひとときの夕焼け空を仰ぐ人の子
8
ああいえば こういう人が 偶にいて 私は反論 されるのが怖い
6
にんげんが よろこぶところが すきなのです あめかぜしのぐ わたしはかーてん
5
本棚に入らないから横にして入れる画集の専用の棚
6
昨日君が捨てた歯ブラシ 今日俺が差し出す歯ブラシ やり直しだね
3
もうこれで終わりにすると泣いた君 翌朝LINE「部屋行っていい?」
4
小一でリップを万引きしなかった私がいるマルチバースの隅
2
来世
(
らいせ
)
でもめぐり逢えると信じてる 日々大切に生きる
今生
(
こんじょう
)
6
ロングから刈り上げにした首筋のジョリジョリ愛し私は私
6
花曇り春雨しとしと続くとか体もきっと曇天となる
1
キン肉マン 全超人が欲しい兄好きなキャラだけ欲しい弟
1
珈琲の無糖に慣れてきた舌がたまらなく
嫌
(
や
)
でバナナ・オ・レの日
3
あこがれた日々は終わって黒い春田舎に帰る荷物は重し
7
かんたんな服でつっかけ擦り歩き春のよどみをかき混ぜている
4
トラックで通れぬ道を違えればこんな桜に呼ばれていたのだ
7
首もとにピンクのスカーフひらひらと少し冷たい春風の朝
7
みづくきの岡に
聳
(
そび
)
ゆる
学舎
(
まなびや
)
の古びて時の流れぞ知るる
4
セーラー服のリボンが上手く結べずにまっすぐ飛べない蝶であった日
11
人づてにきみの就職先を知る 連絡網は更新された
5
五七五七七完成感情の圧縮ファイル さあ今叫べ
4
天皇
(
おほきみ
)
に命捧げし
益荒男
(
ますらを
)
の誉花咲く靖国の宮
6
夢なかで自在に泳ぎまわったが時間切れにて溺れはじめた
5
春の陽の海が輝く 振り向けば砂丘に足あと
2
桜花今や咲くらむ吉野山麓も峰も同じ白雲
6
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