君を想う時間と僕の時間は負の相関
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知ってるかい?僕らが生きるこの世界 実は全く フルカラーなのさ
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本の上  緊張とともに降る雪で  進んだ時計の針はもう戻らない
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馬鹿者の研ぎ澄まされた欲望に怯まされつつ憧れている
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今日の君は 昨日の君とは 別人だ 踏み出せ君よ 明日の君へ
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ためらうな右足踏み出せ一歩でいい大丈夫だよ 昨日の俺へ
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はらはらと舞い落つ銀杏 金の鳥 きみがいないと さみしかりけり
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無駄に長く 三十一文字に 詠む理由わけは 「好き」の中にも ドラマがあるから
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君の兄 体調不良で 自宅待機 君と僕とは 濃厚接触
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ダイエット しているから 米なしの カレーライスは ただのカレー
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やせてるのに ダイエットして みんな口々 なんでやねん ネタですよ、ネタ
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今日の月は 雲がかかって カッコいい ソフトフォーカス まるで絵のよう
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粧いは自分の為にするのだと気づけるまでの時間を返せ
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缶底に残ったコーンを飲みたくて 空ってこんなに広かったんだ
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かわいいの賞味期限は切れたけど捨てるにはまだ早いんじゃない?
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「違う?」「いや、違わないかも」「どっちなの」「わからないからもう一度いい?」くちづけたあなたが笑う ぼくはまだ別れのことばを言い淀んでる
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三分の歯磨き逆に砂時計サラサラ砂と歯汚れ落ちぬ
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﹁つけていい?﹂ ﹁いいよ﹂私の イヤリング 君がつければ 妙に綺麗で
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来年も ご縁があれば 暑中見舞い 寒中見舞いを 出させて下さい。
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「好き」 という たった二文字ですむことを 無駄に三十一文字にする
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褒め言葉を醸した酒が世を満たす 十一月の第三木曜
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願えども頭ん中に神様はいるはずもなく只の暗示さ
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あの頃に戻りたいとも思えずに現在いまを惰性で揺蕩っている
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あどけない生まれたての公式は歩いて転んで大人になってく
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眠剤を さっきのんだから 今夜は寝れるかな 「いいね」できない みんなごめんね
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通り抜けできない路地のひんやりとしている空気に似ている貴方
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イヤホンを忘れた帰路は静かで煩い 肩落とし上がる足音テンポ
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夢に君が 出てきたと 話したけれど あんまり覚えていないと 言ったのはウソ
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君のことを 考えていて帰り道を まちがえた 今日の僕は どうにかしてる
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ボブ・ディランの十月からジョン・レノンが天使と跳ねる十一月
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