苦しみが文学を産むのは分かる だけど私はぬいぐるみを抱く
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紙袋に入れて密輸する漫画 隣の席の君にはバラす
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沈むの残光しかと受け止めて瞳に映るは炎の雲
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セックスの前中後を匂わせるうたに威嚇のいいねを灯す
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アパートも呑み屋も本屋もなにもかも たちまち夢の国です あなた
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二人だと暑すぎるこの掛け布団 溶鉱炉と化しどろりとひとつ
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遊佐未森 サブスクにあるし聴けるけど 言わないでおく CD貸すね
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青い空、コーラと何か甘いもの 結局のところこれだけでいい
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あどけない雪のひとひらひとひらが結ばれ冬の編み図はすすむ
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夕焼けと夜の抱擁みとどけて一番星はつよくなりゆく
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まだ好きな北風だったポケットに手を突っ込めば君の温もり
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断りもなく壊れてた生活を訴えようと目覚めて3時
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膝枕 もみあげの白髪 つい触る あなたの歴史辿りたいよ
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寒いねと 唇の熱 手の温度 確かめ合って肌に刻む 
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好きだとか嫌いを超えた身体から芯から求めるあなたの熱
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あの空が美しすぎて怖いのと 君の心もきれいでこわい
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この恋を腐らせるのとこの林檎 実らせるのと どちらが先か
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ちょっとした怪我でもうまく泣けるならそれは一つの創造だろう
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なんかもう駄目な気がするこんな気がするのは百万回目だけれど
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またどこか私の知らない生活で回送バスのライトが揺れる
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そのすべて己がみぬちにならしめむいとしちちはは白き骨食む
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人生はトライの連続ニヤリ笑む平均年齢Nana-Go75Band
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めんどくさいので道すがらの草々の青を眺めてばかりいました
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悲しみもないまぜにして灰色の雲よかみなり雲になるのだ
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白線の下にはマグマ、鮫と穴 少しだけ明日に似てる君
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正常な朝の光がある部屋に 燃えさしが一人こんなはずでは
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津波警報出るまでの噴火あり 憎らしいまでの晴天であり
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完全を 求めて止まぬ 人ならば 上を目指し 階段登る
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憐みの 心を持たぬ 人間に 天の扉は 開くことなし
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十字架を 背負いて歩く キリストに 心が燃えぬ 人があろうか
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