雪雲にテールランプが反射して それがあなたの覚悟だと知り
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恋よりも通過儀礼と呼ぶべきの時間は全て校舎の隅に
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その問いに頷けばきっと楽になる撃たれたように開く唇
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昨年でサービス終了致しました ラッキーセブンの信者が怒鳴る
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クマムシは宇宙でも生きられるらしい だけど私はワサビが平気
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貧乏で 荒れた家族と 住む君に 神の祝福 恵まれるよう
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利己心を 愛と間違い 幸福を 金で買えると 思う愚かさ
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外見だけ 幸福色に 染め上げて 心の中は 凍てつく寒さ
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不幸には 関わり持たぬ 人々よ 憐みもなく 優しさもなく
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善いことに 成ろうと思う 君のため 君に笑顔を 取り戻すため
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辛いこと 山ほど背負い 心病み 生きてゆくんだ 善いことがある
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真冬でも 心の中に 春が来て 日差しが暑い 君との会話
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人生は 期待以上の ものとなり 期待以下にも なるから不思議
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外れくじ 引いてるうちに 癖となり 当たりが出れば 嘘だと思う
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いいことが ないと思った その日には いいことあるよ それが人生
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お風呂上がりに重力を知る あなたとは無関係な重さですけど
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「社会」とは「会社」だというこの国で社会の三階から跳び下りた
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発車する 電車のドアが 閉まります 閉まるドアに ご注意ください。
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液晶の前に座ってイヤホンをつければ全部できなくて冬
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電柱の影はどこにも行かなくて昼の光は音楽だと言う
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夢は濁り白い道すじどこまでも下って山の出口を探す
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怖いもの見たさで黄昏ひとりきり山に佇む異端となった
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この街は水彩絵の具でできている 朝と昼とが溶けているから
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ただ君のセーラー服が輝いて夏の光の正体見たり
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輪郭を縁取る塗り絵 わたくしはもうはみ出したこともできない
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行き場のない心臓で仰ぐ曇天 うつくしいものはいつも降るから
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あと少しだけ寝かせてよ お薬の力強くて起きづらい朝
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横で寝ている人の温もりを以て思い描いてみる君の熱
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眼の中に冬の大気を閉じ込めた君よ静かに火の如くあれ
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雨の日に走る子どもを見たときは私のことをすぐ思い出せ
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