胸宿る 恩師の言葉詰め込んだ 宝石箱の光こぼれる
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そっぽ向くふくれた頬に秋、触れる  きみを温める紅茶になりたい
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色淡くかさねて触れた肩越しに  きょうの命を物語る夜
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やま奥に 打ち捨てられた 信号の 雨に夢むは 街に在りし日
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ひとりだけ変わり者だと言われててそんな私にも居場所をくれた
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雨ふりの 窓辺に憩う 憂うつは 寂れた喫茶の 猫のまなざし
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水底の 鯨にいだかれ 見る夢は 波間にゆれる ほしの夜空か
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ありったけかき集めた憎悪たちをノイズまみれの両手でつつむ
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「空気とは読むものでなく吸うものさ。」「そんな事すら忘れていたよ。」
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ヌーボーがひと足先に解禁だ 日本の新酒ワインも試してみたき
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乱雑でゴミ箱のよな引き出しにあると思えば大抵はある
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電話嫌い 腹話術師にあやつられ もしもし以降 怪しい話術
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好物をいちばん後で食べる癖 失せ物探しも遠いとこから
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何食べのケンジの優しさお手本にしなくちゃだめだとマジで泣いた
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福井駅を歩いていると 半袖で夏を引き連れる若者がいた
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季節柄こんな薄着でいいのかと 街へ繰り出す15分前
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マイページ読み返しながら思い出す 最良の日と最悪の日
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檸檬堂 オキニのコップ 割っちゃった バラバラになった レモンの枝葉
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木枯らしもこの目で海を見るまではジャケット揺らすエフェクトになる
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「夕焼けを見てた」と言って誤魔化した あの子のバスは西日で滲む
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うらやましきものの一つに禿髪のよく似合ってるいきな男があり
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一年は瞬き一つする早さ貯まる思い出永遠となる
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酔うほどに患者ひと多き土曜 無事終えて スタッフ皆の「はあ…」がハモる
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ねこたちは 日向ぼっこから目が覚めて オヤツが欲しくて つぶらな瞳
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今日こそは適当レシピ見つけ出し 生クリームをお菓子に変身
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まっすぐな君の瞳にときめいて心の中でシャッターを切る
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置き配をやめ受け取った荷とともに言葉に笑顔  陽が照りつける
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晴れの日に傘をさしてる人がいてあれは河童の末裔だろう
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右をみて左みてもういちど右みている君の左目に、青
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中年になりぬるわれよ地平にて愛語のすべてふと見失う
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