猫はこう見えていることがわかった転んだことで知った事実だ
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前髪が濡れてしまってバーコードのようなさやかがこっちに来る
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僕たちが 生まれた場所に 帰ろうか クリームソーダのグラスの中へ
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現代短歌を 詠み始めて わかったよ 枕詞なんて 入れる余地ない
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歌詠むには 病んでる位が ちょうどイイ いや、あくまでも 僕は、ですヨ
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生きるのに 疲れてきたよ 自殺も怖い だから僕は 心を殺した
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大丈夫と 口癖のように答えたけれど 気づいてくれた もう大丈夫
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衣替えのたびに君を思い出す コートの裏地を転がるビー玉
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あなたからささやかれた愛の言葉すらすら打てる予測変換
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フリスクの匂いに竹は似合わない月に行くのは悪くない夢
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世の中に 自分を好いてくれる人 きっと いるはず 信じて生きる
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今もまだ ときめき感じられるから 好き「だった」とは言えそうにない
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今後はもう 星占いをふたりぶん チェックすることもないのでしょうね
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紅や黄の化粧を落とす通り雨 季節の移ろい しとしと告げる
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かわ沿いの赤、黄、緑のカーテンに秋が総出でなみだがでそうで
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ゼラチンをいれぬプリンのような胸ゆるくたわんで掬ってこぼす
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温もりが蒲団の中で反響す ついでに頭蓋の熱も踊る
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空白が欲しい私と埋める君、手帳戦争勃発し冬
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お前の言葉で語れよ、今朝の空はよく澄んでたかまだ寝てたのか
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「そんないいものじゃないよ」と言いながらかばんにしまうの最後にしてた
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祈るように固く両手を組んでいる十一月を急ぐ人々
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恋なんて手に取るように離れ業やってのけたよ割れたカップは
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太陽の黒点なんて燃え尽きた君の口許ホクロが残る
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冷たいか?いやホットだよマルちゃんの恋の緑はタヌキのそばに
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夕暮れを待たずに光る星が今君の名前を呼んでいたから
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迫りくる夕日が僕の背を押した、「そろそろ歩き疲れたでしょう?」
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今の僕天使の一人すぐ呼べるお口いっぱいマロンクレープ
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雪が降り心と身体くしゃみしてゆっくり君を愛し始める
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くらやみに金平糖をぶちまける かみさまにでもなった気分で
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憎しみで しばらく生きた そのあとの 脱力感に 僕は沈む
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