日曜の夜が静かに終わってく きらめく時から現実に戻る境目の時間
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あの星が実は本当の故郷ふるさとでそこでは皆が私に微笑む
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愛おしい日々は瞬きするあいだ煙草が入った彼のエメマン
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まいったな こんなところで会うとはね 読めばわかるよ 君の詩だもん
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9時間は友達とバカ騒ぎしないと死んでしまうようなあたし。
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生きるとは 燃やす歳月 燃料タンク いつ切れるかは 君に任せる
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仕舞い湯で風呂場を拭くのは父だった今は毎晩僕だ たそがれ
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君の返信ふみ正気を保ち待てるのはこの酒この風呂のおかげであろう
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暗がりのなかスライムのASMRと米を研ぐ音まじる
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「ふわっ」とは「きちんと」よりも大事らしい卵料理も女っぷりも
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くちびるに かぜがぴゅうとふれたとき いきるりゆうが分からなくなり
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惜しむよに 手を振りて咲く 枝先の 名残の桜 一人見上げる
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自慢屋の彼女の会話は退屈で「ハ行」で相槌外は快晴
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うらやましい迷う余裕のあることが壁迫り来る一本道だ
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春の風 釣り竿しならせ遠くから 祭囃子まつりばやしの音を運ぶ
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「なぞなぞを出してよ」吾子よ なぜ君は 登校せぬのか? それが謎謎
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わざと「ん」で終わらすしりとりのように勝手に恋を終わらせた人
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「とりあえずビール頂戴」穴埋めに呼ばれた我も“とりあえず”居る
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混雑の極みマックのイートイン ポテト揚げたて、あとナゲットも
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常連じゃないのにどこか懐かしい 日焼けした紙「カツ丼」の文字
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辛味とは怒りの力 この日々を私はずっとやり過ごしてる
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居場所無く 無力で惨めな 中学校はこの中 よく頑張ったよね 十五の私
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プラマイをゼロにしていけ奴なんて人間八十年では誤差だ
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好きだってこころを祀れないうちは結ばれる日はほんとに来ない
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そのために やっぱりお金 要るのよね あとしばらくは パート頑張ろ
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お金では 買えないもので 楽しもう 一人の時間 人との時間    つづく
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僕と君が進むこの先は君の頭上にだけ暗い雲
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辛いのは別れじゃなくて 好きだった君が泣いてしまうからなんだ
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随分と歩いたものだと振り返る まだこれだけか朝の砂浜
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テキーラの残る朝焼け生ゴミのようだ痩せてゆく身体は
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