光の加減で見えない水溜りぽちゃって音して今日はおしまい
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舞踏する文節たちを分解す仏頂面の文学者たち
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戦いのうしろに居てもわたしたちここは戦後だって忘れる
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生受けた瞬間は皆喜んでくれた 惨めに生きてる私
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爆発の素材に使う程度には衣が厚いやつを食いたい
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泣くことをゆるすためです春雨が私の頬を撫でているのは
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おれのチョコ食べたのすこしは悪びれろ本命だって言われてたのに
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懐かしき 想いを乗せた うたよみん これからここで 詠ませてもらう
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誕生日来ないLINEを眺めてはひとりはいいと寂しく笑う
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バス代のために貯めてた小銭らを弁当買うのに使ってしまった…
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買わないが無くならないでコンビニのたった一つの手書きの値札
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今を生き 生き続けるを 繰り返し 遺す命を 来世に紡ぐ
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難病は自由に動くコト奪い血液盗む蚊さえ払えぬ
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明日こそ片付けるんだすっきりと!明日に気持ちを持ってけぬひと
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かばん底クシャクシャになったレシートの印字はすでに掠れて読めぬ
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俺の身を通り抜けるな春風、からの中身を見せたくないのだ
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まだ君を 思う気持ち消えなくて 思い出す度 涙溢れる
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お揃いの ネックレス首輪着けても もう君と 繋がれないか せめて輪繋ぐ
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美少女と 思った子猫 実は雄 春雨の下 獣医話す
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繰り返し春に持て余す身体の廃品回収お願いします
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晴れの日も もち好きだけど 雨音が ド・レ・ミに聞こえる 雨の日も好き
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外は雨今日は1日家籠いえごもり 部屋に広がるフローラルの香り
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どのように切り取ったなら。見たままの艶やかさこそ写し留めたし
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「どこまで?」と言う運転手 悪いけど、どこでもいいや。どこがおすすめ?
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恋慕には音も匂いもないのだと知らずにすれちがう交差点
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たどりつくことができないほんのすぐそこにあるのに順乱すもの
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東路に見るだに悲しかきつばた都を遠く隔つと思へば
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久しぶり日頃の憂さを持ち寄りて笑いに変える老い盛りなり
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吊り革がみんな並んで揺れていて 春の気配にはしゃいでをり
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飛んで火に入る珈琲と聞こえたり 確かに豆は跳んで火に煎る
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