君に抱く説明できない感情はおそらく未知の素粒子のせい
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冬ごもり 春は青しと知らぬものよピンと張る 縒り合わせた糸が切れるなんて 片糸より添ふ先に君見えず春は名ばかり 心冬ごもり
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里山に山吹の花燦々と 女神に捧ぐ太陽のかん
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ぶらぶらと過ごす老後のわびしさよ男だったら立てもう一度
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木の陰のひとりしずかの花化粧 さくらの紅にひそかに染まる
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ほろ酔いの わたしはあなたに よりかかる (わたしはあなたのものになりたい)
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「さよなら」と君がいうから死んじゃうと思い込んでた野球の話
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「ごめんね」と 謝る君に淋しいな。 頼られたいと 願うだけだよ
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母九十二 今日また入院 今度はダメか 幾度も思うが 生きる生きる
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プレステとスマホ動画を同時にprayプレイ ああ恐るべしZ世代よ
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遠足の前日のよなワクワク感 バナナは持たずに明日からバカンス
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昔から他人ひとと比べる自分嫌い 短歌うたはそれぞれ自由でいいよね?
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完全に染まりきるまで待っている青と赤との境目に立ち
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もうこない たけのこあきらめ 購えば まさかの到来 当分たけのこ
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信夫山木隠れにのみ行く水のに立てつべくものを思ふかな
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ゆるやかに弓張月は夕暮にゆかり色への夢路をたどり
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ほろ酔いで飽かずに盃は重ねられ西船橋の前で目覚める
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やさしさに包まれてたい唇に触れるよう降る春雨の野辺
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乾く喉うるおすように静けさへゆっくり脳を浸す図書館
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あれはゾウこれは鯨と子が雲に名付けひとときできる楽園
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雨粒のひとつひとつがハート型してるみたいだ相合傘は
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昼下がり歴史の授業とチョークのどこか遠くへ舟こぐぼくら
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愚痴話 聞くも話すも さりげなく 笑いに変える ポイント探す
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平日は上の住人仕事だと楽器鳴らせば上から足音
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夫婦とは長い会話だ 七聴いて二ほど話し一聞き流す
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ピンと張った生糸のような人でこそ触れたらきっと良い音で鳴る
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桜色あわいピンクもスキだけど ツツジのようなゆいピンクもスキ
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動物愛護それは分かるが人も飢えてる
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若き日に「アウトサイダー」書きし人今裕福にワインなど飲む
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私のような者でもある時は「釈迦に説法」されてる気分
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