暑苦しい人かき分けて隙間から 屋台の光と祭囃子よ
6
海原は空を羨(うらや)み映すとふ 船旅したや 青一色の
19
カーテンを開(あ)けずスマホの天気見て「雨なんだね」と寝転び笑う
10
恋をしてどうにかなった。ひとことに囚われはずむ愚かなポンプ
3
受診後の 食堂で食む 月見うどん 決まった味を 今年も啜れた
15
悪魔にも鬼にもなれる暫くは引き攣る笑顔我慢出来ずに
3
嫌いなのあなたの顔もその声も優しいだけが取り柄なのにね
3
血管を辿っていったあみだくじの先でぼくをどうか見つけて
6
スランプか?語れるほどの腕はなく 言葉溢(あふ)れぬ時間(とき)が過ぎてく
12
仕事部屋帰りはまだかと時計見て チャイムの音待つ在宅ワーク
6
そよ風がごろ寝の身体撫でていくこのまま明日へ行けたら至福
14
堪(こら)え居(お)り悲愴と刃(やいば)滲ませて一人で祭り見に行く少女
7
「テグスみたい」指に巻きし若白髪笑う友の隈の青さよ
6
夏帰省母の待つ家近づきて凌霄花(ノウゼンカズラ)笑いて咲きぬ
15
力士らを怪我から守る方策は 土俵の丈を低くせよと妻
6
ひぐらしのシャワー降りぬる鬱蒼は三半規管をかき乱しゆく
8
唯一人(ただひとり)大統領の杯を受く 実質横綱立て朝乃山
4
絞首台も地獄も一緒だっから怖いものなくて楽しかったな
4
エアマックスココから覗く指先に 銀をひと刷毛 あがりかまちで
5
「死ななくて良かった」なんてそんなのは 耐えられた奴のただの戯れ言
5
自室にて籠城戦を展開す 助けは来ないと知っているけど
6
羆(ひぐま)をも倒すやしれぬ肩透かし 胸すく快児見よ翠富士
4
刈り取った枝豆よりもうまいのか?冷凍枝豆ちょっと切ない
9
古(いにしえ)の名大関の名を借りて 若武者登れ笑まず驕らず
4
怪我負いて奈落に堕ちたあの男 還ってきたぞ行け若隆景
5
暑き場所 肉ぶち当たる汗が飛ぶ 力士の咆哮竦(すく)む手弱女(たをやめ)
5
痛み耐え地位守らんと粘る意地 註文相撲を恥ずるな老兵
7
一人でにグラス片手にとろとろと 溶けゆくものは君か心か
8
炎天下 遠回りして 影を踏む 大人もみんな 行ったり来たり
5
小兵らよ引け回り込め意表突け 弁慶倒す牛若の快
6