「春ですね」「大好きです」が失った行き場としての迷子の子猫
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君のこと抱きしめたくて夢に見る 夢では髪の匂いもわかる
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春の陽を 夢見て眠る 花の子よ 膨らみゆくは 蕾なりけり
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霧さえも見えていないということを互いに指摘しあって笑う
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泥混ざる雪の香りにむせながら踏まないように小さな土筆
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仇花も 命はありき あめつちの 情けあれよと 祈りしあした
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付箋紙を床に落とした小春日のブラインドからこぼれるひかり
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一平日として終わる誕生日 大人になったな、悪い意味で
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太陽は、天の広さに飽きました。 大洋の向こうに隠れました。
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永久とこしえうしお の先の島の尖塔とう修道士らの祈りが響く
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「あれ、今日は田中と結婚したんだね」「2組体育無いらしくてさ」
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収まりが悪い と三度蹲踞する 洗いすぎて縮んだ下着
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境遇を思うと駄目なの勃たないの あなたがここで働いてても
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色のない波に誘われ焦る春 まだ熟れぬ緑 果ては枯れ草
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舵取りを任せた船はどこえやら。 幽霊船に成り果てたとさ
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春先の 美味しい野菜を 食べたなら 生命を摘んで 季節を味わえ
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死神よ。 何故にあの人 選ぶのか といの答えは 虚空に還る
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狼煙揚げミルクティーのお供する 小説舞台に我が身を投げて
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幾億の愛を言葉に込めたとて季節が合わねば枯葉も同然
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黒板の李徴の漢詩うたに やな化学教師先生ベンゼン環書き日直駆ける
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脳髄を掻き出し咀嚼味わった あなたを探す迷子の孤独
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愛は常に需要過多で供給不足 手に余る叫びは見捨てる今日も
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「咳とかの自覚症状出てないし…」罪悪感を消すおまじない
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 君となら、 ずっと泳げた。 今僕は、 瞳の 小さな海で溺れる
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そう、ちょうどリモートでつながりながら誰も外には出られない部屋
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哲学を 学んだ訳では 無いのです ピュアな心に 飢えてるだけかも
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背向より話すとき 君は言ひ掛く距離の近い人 肩越しのいてるよね 面の近しに君が近くて 心漫ろくどきっとするんだ
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いつまでも来ない王子を待ってても意味がないのよ 歩き出さなきゃ
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安らぎは 君が好きだと いうことで 苦しいことも また同じこと
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遊ばなきゃ いけない クラスの せんせいに いわれて 遊ばな くてはいけない
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