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ふと思う大人になるってなにかなあきっと子どもになりたくなること
2
バラバラに割れたガラスのような夜いつもと同じ場所にぬいぐるみ
1
刃物持ち火をつけ焼いてしまおうか野菜炒めを作るだけだよ
3
夢を追い夢を叶えるある者は夢を諦め棄てる東京
2
貝殻を拾い集めて太古にはこれが貨幣であった儚さ
3
こんなにもこんなにもこんなにもなのにジンジャーエールはいつもの味で
2
目の前のピンクの薔薇が枯れるころ私は新しい道をゆく
2
おやすみと言い合える人がいなくてもぬいぐるみさんに言うよ「おやすみ」
2
草むらにひときわ輝く白い猫ハッと思えばただのゴミ袋
1
素直だと言われることもあるけれど素直は人を傷つけるから
7
いつだって僕を励まし慰めた歌のようには生きれないけど
6
大好きな人と私とお互いに大好き同士でいられる奇跡
2
ふわふわり 浮かんで消える シャボン玉 舞台の上の 幼い少女
2
うつくしい 鳥の羽を ペン先につける 書いた言葉が 飛んでゆくよに
1
教会に いそいそと足を 運びゆく 人々の耳に 響くアヴェ・マリア
2
マークシート一個ずつ埋め 終わり際ふと気付いたよ解答のずれ
3
変わり身の 変わり映え無き 変わらずを 変えてしまうは 変わらず君か
2
かなかなと 暮れ行く夏と 消える影 腕に涼風 寂しさが鳴く
4
微睡みに 浮かぶ想いは 泡沫と 醒めし今では 夢か現か
1
あの頃の 友の行方も 知らぬまま 独りぼっちで 待ち望む夏
5
肉体は主締め出す家に似たり 推せど敲けど
忍
(
おし
)
たる戸口
3
すき透る 空よりもなお 君の顔 こころ踊らす 初夏のみちゆき
2
言いたくて 言えなくて泣く 梅雨の空 雨はきっと 誰かの涙
5
ゆかりなきアフリカの角にわが骨を埋めて呉れやと願いを壜に
7
君が好き 言えたらきっと楽になる 言えない私 今日もくるしい
2
この世への 我が眼の井戸は涸れ果てつ 電子の「曇りのち雨」続く
4
こんなにも酸素が薄い部屋だから始めのキスは省いてもよい
4
露西亜語で置いてかないではなんと言うマトリョーシカさむいくるしい
4
はらからとわらび分け合う楼の上 誰も見上げぬ新宿の街
6
青々と 夏の空見て 君想う あまりに青くて 泣きそうになる
4
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