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羽が無い人が空を飛んだのはおそらくきっと羽が無いから
3
とりあえず寄せ集めでも編んでみよ 僕は僕のベッドで眠る
2
明け残るあの宵逃げてスプーンの先の滴るハチミツに触れ
4
手に宿るあざの蒼き満月を帯びつ踊りつ僕を僕と成す
0
時の間に あのね、たぶんね。テトラポットに藍が溶けてる
1
壇上でおられた紙を広げてく テトラポットにならんだ、春へ
0
おくすりの袋をかざす はやくこの街から出たいスタバないから。
0
大丈夫と理屈ではなく意思として夜空に言えば語りだす星
3
大丈夫とただ穏やかにわが内の小さな星の欠片と話す
3
大丈夫といまは聞かずにいて欲しい寄り添ふ夜はただそれだけで
3
涼しくて最高だぜいこの部屋はこういう至福を共有したい
1
キャッチボール君の声は遠ざかり君の声は近くなる
1
「働く」が掘り崩されたこの国で生き延びるには「ライフ」に軸を
3
今はもう君のことだけ考える。それしか私、できることない。
4
いつのまに気づけば「オトナ」になっていてサイコロの目は振られ続ける
5
パレツトにとりどりの青を置きてゆく彷徨ふ気持ち静むるために
3
濁り来る青のおもひを汲みたがへ闇へとつづく昏き海の絵
3
あかよりもなぜあをなのや濃く薄くこころをひらく青の水平
2
やがてあをは聖なる声をもちそむる空と海またゴツホの青へ
2
鬱を呑む青にひつそり包まれて眠りてしまふ沈静の底
4
オオカゼガマチガイナシニチカヅクとまじない文様浮かぶ天気図
3
ゼクシィを仮想敵とし毒づいてこの不自由な自由を呪う
7
忘れもの独りもどりて巻きもどる母を見るなり泣きだした朝
3
恥ずかしいことと感じて言えないと思うところに核心はある
6
月かげの白く照らせる頬杖の雲のはたての人を恋ひつつ
2
午後六時ユーチューブに飛び込もうあれこれあるからネットでもいい
1
心のね穴を埋める為家でただひたすらにユーチューブ観る
0
落としものさがしてあちらこちらへと後ろへ向かふ時間の小路
5
さみしくて電話をしたの君にだけ でないでいいよ気にして欲しい
0
野分吹き窓はかたかた音がする あなたの部屋へ逃げていきたい
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