ようやくに暦が弥生に変わる頃 閉じた本など読める気がする
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河津川にそいて桜の道進む露天タコ焼き呼び込みの声
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日の落ちた露天風呂より駿河湾溢れるお湯に罪悪感も
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年度末の駆け込み受診か混みあひて聴診器さへ外す間もなし
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飛行機を降りて感じる湿り気を、これが地元と君に話した
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真夜中に ねこ母トイレに(前まで)ついてきて 電気つけたら ビックリするねこ
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今宵また 眠れぬ吾を 悩んでも 朝訪れば 夢を追いかけ
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心臓の悪魔の鏡を取り出せず これが大人ということにする
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君が名を初めて呼んでくれた日をおぼえているよきっと死ぬまで
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ラクスにまた 逢いに行きたい キミだけは キラを裏切る ことなどないから。
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近頃は日の出る内は外に出ず夜の街見るやるせなさ
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目の粗いネットにツアー入れて 丁寧じゃないけど生きている
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LGBTQ かみんぐあうと ふえてるは いいだしやすいか 自我ー無意識 変化か /性あいでんてぃの変化は元型アニマの関係?
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いつの日か寒椿の木のその下に君を埋めよう紅いくちびる
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僕の中に 心は二つ 存在し 「進め!」「止まれ」と せめぎあっている
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よそんちの息子の髪を切っている私もよその息子の母さん
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電話する ために持ってた はずなのに ネットやメール 専用電話
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獣声 呼吸する我 恐がられ 餌は黙れよ 喰われる弱者奴ら
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いつからか「母さん床屋」来なくなり息子の頭を撫でなくなった
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若薄毛気になっている君だからより丁寧にうなじを剃った
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寝る時は明るくないとダメだった娘が今は豆電球で。
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出先にて不意に舞い来る六つの花黒のコートにくっきりと咲く
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雪の上に跡は見えねど山里の霞む梢や春の通ひ路
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何度でも布団をかけるは母の愛知らずに眠る可愛い子
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進展を望んでないし望めないでもおやすみLINEもう見返してる
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ふゆこもり 木の芽もはるの寒ければ 衣更着きぬさらにきるつきぞなりける
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胸の底しろく冷たい言の葉は春のひかりに灼かれて消える
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まだらぼけ おいなりたべて 「おいしいなぁ」 なんかよかった きょういちにちが
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顔面に覆い被さる墓土はかつちの息苦しさをふと思い出す
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お箸から 転がり落ちる エビフライ 蟻の世界に 花びらが舞う
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