たよりない小さな微笑 突っつけば泣き出しそうな三日目の月
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「風の日をもっと楽しみたい」とだけ書いて社長に渡した辞表
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冬好きの身にも堪える寒の風 母が遺した婆シャツを着る
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ねこベッド 団子ふたりのキックとパンチをば おひる、と呼んで仲裁せる我
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売り出しで30円の新じゃがを 腐らせちゃ意味ない 毎日チェック(そろそろ救済したい)
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青空に向かって飛び立つ龍のよな リュウゼツランの写真に感嘆
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なにもなくまいにちまったくなにもなくきょうもいちにち 生きて しまった
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森の中貸別荘でバーベキュー  約束の日に 我古稀になる
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一日のほとんどテレビと生きている 百年生きた伯母の親友
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たおやかに白くたたずむ水仙よひとりぼっちの冬にも愛を
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車椅子伯母乗せ押す手 軽すぎて  その軽さまで悲しい病院
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空き缶の二つ三つあり テーブルに 四人の宴会 品行方正
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百歳を越えた肉体 医師に見せ 伯母は少女の顔になりたる
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晴れてきて パン屋に散歩に行こうかと 思へば今日は定休日かな
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ゲームだけど 誰かの菜の花コーデ素敵 春を待ち望む心地あはれなり
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友といて老いの恐れの薄まりて 「またね」の笑顔 胸にとどまる
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猫おらず無傷の家より猫がいてズタズタの家我は選びぬ
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リフォーム後ご縁が繋がり猫が来てリフォーム前より汚くなった
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もう猫は飼うまいと決めリフォームし清く整うも何かが足りぬ
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大学がどんな所か知らぬ身も年に一度の週末は過ぐ
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うまいもの 食べたいといふ父愛し 好物並べ どうぞと言いたし
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困ってる 時ほど ちょっと一休み コーヒー淹れて 何食べようか
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ねこかぶる、かぶるだけってとなえるの、野蛮な場所で生き残るため
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まんじゅうをふたつに分けて弟と魚買う母待つ夏の夕
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目覚めれば空気は冷えて風唸る音と交えた寒の襲撃
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「パパも泣くことがあるの?」と子に聞かれ 君が産まれた日には泣いたよ
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人一人活動すればエアコンがついてなくても一度上がった
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新しいサッカーボールを卸した日風の立たない小春日の午後
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生き様を立派に語らう人もおりポツリポツリの亡父母が愛しき
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昨日食べたラムネアイス色の朝 午後の授業はマラソンだけど
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